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第54話 元魔王はシノギもちゃんと作っていた

「それで総長、問題というのは関西の奴らなんですよ」

「大阪の奴らというのは、我達より強いのか?」

「あー、山田組っていうんですが。規模は関西の山田組の方がでかいですね」


なんと。もっと強い奴がいるというのか。


「良し。そいつらを倒しにいくぞ」

「ちょっと、ちょっと。待ってくださいよ。そんなことしたらヤバイですよ」

「何がヤバイんだ?」

「とにかく、関西に踏み込んだら全面戦争ですよ」


良く分からないが。

戦争は準備をしっかりとしないと駄目だからな。

あっちでも、勇者なんて簡単に倒せると甘く見たのが敗因だからな。


「分かった。倒しに行くのはもう少し待とう。で。何が起きているんだ?」

「それが、関西の奴らが新宿にこんなものを持ち込みやがりまして」


元魔王にして、総長でもある我の座っている大きな机の上に、組員が小さなビニールに入っている白い粉を出した。


「なんだ? これは」

「合成麻薬ですわ。最新らしく違法薬剤に指定されていない品でして」


要はドラッグだな。

あっちの世界でも良く使っていたから分かる。

しかし、こいつは。


「質が悪いな。毒も入っている。こんなもの使ったら駄目だろう」

「まぁ、そうなんですがね。ただ、トリップ感が強いんですよ。最強になった気がするんです」

「バカな。こんな低品質なドラッグで最強になれるはずはなかろう」

「まぁ、感じるだけなんですけどね」


要はただの幻影が見えるドラッグとして使われているということか。


「しかし、こんな低品質なドラッグで何が問題になるのだ?」

「新宿でこれを売って奴らは儲けているんですわ。もちろん、うちも対抗で別のを流しているんですが」

「それはどんなものだ?」

「これですわ」


同じようなビニール入りの白い粉が机に置かれた。


「これまた低品質だな」

「ええっ。これでもなかなか強いドラッグなんですよ」

「よし。これから、こんな低品質のドラッグを売るのは禁止する」

「ええっー。それではシノギがなくなってしまいますよ」

「代わりにもっと高品質なドラッグにすることだ」

「どうやって?」


カセットコンロと鍋を持ってこさせた。

あと、ミネラルウォーターと重曹と小麦粉もだ。


この世界の錬金素材はそれなりに調べてある。

道具もだいたい分かっている。


この世界で錬金術を使ってアイテムづくりするのは初めてだ。


関東の合成麻薬を1に対して、関西の物2。

それに小麦粉を10と重曹を5。


よし、調剤はこれでいいだろう。


これを沸騰一歩手前の100CCほどのお湯に少しづつ溶かしていく。


15分ほど、熱してここで。


「マイクロサンダーボルト!」

「へっ?」


いかん。

そうだった、この世界では魔法が使えなかったな。


しかし困った。

これでは錬金術ができないではないか。


「えっと。電撃かなんかですか?」

「そうなんだが」

「それなら、これはどうでしょう」


何やら、黒い小さなアイテムを出してきた。


「スタンガンですわ。こいつ、普通のより10倍強力な奴です」

「ん?」


言われるままに操作すると、マイクロサンダーボルトが発生した。


「こいつはいいな。思ったより強い電撃だな。調整がいるな」

「それなら、ここのツマミで出来ますよ」


うむ。完璧だ。

これを鍋の水に当てると。


「うわっ、鍋の水が真っ赤になりましたわ。びっくりです」

「ああ。これはエクスポーションだ」

「はぁ?」

「感覚が敏感になり、思考速度が上がる。筋力もアップするぞ」

「本当ですか? あ、疑っているのではなく、初めて見たもので……」


なにやら、チンピラを連れてきた。

こいつ、質の悪いドラッグを使っているな。

目の焦点があっていないぞ。


「兄貴なんです? あ、薬ですか。一袋ください」

「それよりももっといい物をやろう。この赤い水はすごく効果があるドラッグだぞ」

「本当ですか! 飲んでいいんですか?」


人体実験ということだな。


「すっ、すっげー。なんだこれは。なんか暴れたくなってきたぞ」

「おい。待て。待てって」


無理だぞ。

エクスポーションを飲んだ男を押さえるには、3人くらい必要だぞ。


「おおー。兄貴の動きが見える! スローモーションのようだ」

「なんだって? そんなバカな」


逆に押さえられてびっくりしているな。


「兄貴~。僕の方が強いっす」

「ふざけるな」

「へっへぇー。兄貴も大したことないっすね」


面倒くさいな、こいつ。


バコン。

廻し蹴りで気絶させてやったぞ。


「すみません。総長。お手数かけます」

「まぁ、このドラッグはそんな物だ」

「すごいです。これ、たくさん作れますか?」

「簡単だぞ。慣れれば誰でも作れるぞ」


どうも、この世界は役に立つポーションが足りないらしい。

それなら、大量に作って売ればいいだろう。


「総長ありがとうございます。これで関西の奴らを駆逐できます」

「それはよかった」


そのくらいでいいなら、もっといろいろなポーションを作るか。

不老不死のポーションはどうだろうか。


魔王軍の常備薬だったからな。

素材がこの世界で手に入るかどうか分からないがな。


おいおい研究していくとしよう。


魔王ちゃん、頑張ってます!


コロナウィルス、猛威をふるっていますね。


とうとう1000万都市を封鎖まで起きてしまいました。

さかずトップダウンの国、中国って感じです。


ポイント評価も大切ですが、うがい手洗いも大切です。


外から帰ったら、うがい手洗い。

読み終わったら、ポイント評価。


とくに今は心掛けたいですね。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] すごいですがずこいですになってます。 [一言] へ、へへ。評価ポイントいれたらブーストかかるって噂きいてしまったのでいれてしまいましたよ。。。。5/5
[一言] 魔王ちゃんがいい魔王に見える。 ポーションは毒なしならいいな。
[一言]  ご投稿お疲れ様です。  魔王ちゃんは勇者と邂逅するんでしょうか? 今のところ完全に別の話になっているようなw 現代世界で錬金なさってる。
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