第48話 意外なところから大金が転がり込んできたぞ
昨日はコメント17件でした……恐竜と魔王ちゃん強いなー。
「ね。翔太さん。元Jリーガーのフットサルどうなっているの?」
「ああ。一時の爆発的な拡大は無くなったが、安定成長はしているぞ」
純ちゃんも気にしてくれていたんだな。
今、ニッキープロジェクトは、全国展開が始まった。
元々、Jリーグチームにはホームタウンがある。
ホームタウンのフットサルコートで、ニッキープロジェクトを開催する。
もちろん、その試合に参加するのはホームタウンのチームで活躍した元Jリーガーだ。
特に引退したばかりのJリーガーが参加してくれたりして、人気がある。
ただし、Jリーガーの人気に依存するつもりはない。
元Jリーガー、サポート女子バイト、フットサルコート運営者、日本フットサル協会関係者と色々な人の協力を得て、『楽しい試合をする』の実現を目指している。
すでに元Jリーガーによっては、リピータ-で作るチームも出来上がってきている。
その先端を走っているのは、最初の打ち合わせに参加した20代の元Jリーガー。
ニッキーと共に、リピート率が抜群の彼はリピーターの中で特に熱心な参加者を集めてチームの練習をしている。
これはニッキープロジェクトの外でやっているので、格安な参加費で喜ばれているようだ。
20代元Jリーガーも自分の考えるチーム作りを実践するのが楽しいと言っていた。
リピーターが増えるし、彼のやりたいことを実現できているし、一石何鳥にもなっている。
今、彼に先行してもらって、そのフィードバックももらい、ニッキープロジェクトに組み込むことを考えている。
そんな新しい流れがある一方、元Jリーガーとの試合は新規参加者が減った関係で安定した動きになっている。
今のところ、平日では20試合、休日50試合が開催されている。
1週間では200試合で参加者1600人、売り上げ1280万円になっている。
ただ、新規参加者を集める広告やアルバイト等々の間接費の上昇で俺の取り分は1割に減ってしまった。
それでも毎週128万円の収入になっており、骨董品ビジネスをプラスすると毎週200万円が入っている。
まぁ、このあたりは純ちゃんには内緒だがな。
「よかった。ネットでは元Jリーガー試合の悪口が一杯出ていて心配してたの」
「ああ。ライバルの方は大変そうだけどな。まぁ、儲かりそうってだけで参入したのが悪い。自業自得だな」
「そうよね。せっかくうまく行きそうだってのに。パクリは駄目よね」
「いや、パクリが悪いんじゃない。パクり方が下手なのが悪いんだ」
俺も魔王を倒すためにいろんなパクリをしまくった。
戦い方から金儲け、人集めまで。
良いと思うものは、徹底的にパクれ。
賢者の魂もそう言っていた。
新しい物を作るより、すでにうまくいっている物をパクる。
その方が効率がいいのだ。
もっとも、徹底的にパクるためには、スタートの時点までさかのぼっての分析が不可欠だ。
表面だけパクると今回のあいつらのようになるのは当たり前だ。
「おっぱい、触っていいかな」
「いやん。駄目ー」
「いたずらなこの手はここに置いてね」
おっと、ちょっと純ちゃんと話していたら、在真が酔っぱらってしまったようだ。
酒にというより、綺麗な女性に囲まれる状況にかな。
「ね、この人、大丈夫」
「あー。問題あったら、ママさんにぴしりと言ってもらおう」
「いいの? 接待じゃないの?」
「まぁ、そうとも言うが。もしかしたら、この男が俺のビジネスを大きく飛躍させる鍵になるかもしれないからな」
「えっ、そんなすごい男なの?」
「ああ。なんと言っても、真珠色のオーラの持ち主だ」
純ちゃんの目が変わったぞ。
純ちゃんには俺が観たオーラの色の話をよくしている。
前にここにひとりで来たとき、黄金色のオーラを纏った男がいたから教えてあげた。
お偉いさんに連れてこられた若い男だったが、これから大金持ちになるかもしれない。
そう言ったら、うまく連絡先を聞きだして、指名してもらったらしい。
ひとりで来たときに、指名してもらうとずっと担当になる仕組みらしい。
俺の担当も純ちゃんだな。
「翔太さん、とっても楽しいです。こんな楽しい所があったなんて。びっくりです」
「そうか。それなら骨董品ブロックチェーン、しっかり作ってくれよ。また連れてきてやるから」
「もちろんですとも」
うーん、開発費として支払う200万円より、このクラブに払う料金の方が高くなりそうだ。
まぁ、楽しく遊んでしっかりと開発をする。
それができるなら、安い物か。
らぁ~らららったぁ~♪ ららららった~らららららっらったった~♪
おや、電話だ。
「あ、常務さん。えっ、今ですか。クラブ・パティオです。あ、大丈夫ですよ~」
車屋さんの常務さんだ。
今から、ここに来るらしい。
何か話があるみたいだ。
「純ちゃん。ママさんに、常務さんが来ると伝えてくれ」
「はーい」
常務さんの担当はママさんだ。
☆ ☆ ☆
「いらっしゃいませ~」
「翔太さんと一緒の席でいいんですよね」
「ああ」
10分ほどで常務さんがやったきた。
なにやら紙袋を持ってきたぞ。
「翔太さん。お待たせしました」
「待っていたぞー。何かな?」
「これを渡そうと思って」
テーブルに置かれたのは、ズシリした感じがする紙袋。
「なんですか? これは」
「現金です。1470万円入っています」
「ええっ」
いきなり、なんだ?
いやぁ、やばい。あれはヤバイ。
ディア〇スティーニって知っているよね。あれのCMがやばい。
いつもは「またそんなの創刊するんだ。また定期購読する人いるんだろうなー」的な。
まさか、自分がどうしようか、悩むなんて。
『週刊サン〇ーバード秘密基地』
いやぁー、最初に買ったプラモがジェットモ〇ラだった僕。
ヤバイ。これはヤバイ。
創刊号はやっぱりサン〇ーバード2号だし、499円って高いじゃないか。
どうせあがるんだろうし。
一体何号で完成するんかいな。
「2号1099円、3号1890号、110号で完成します」
おいおい、20万円以上だって…いくらヤシの木が倒れるって言ってもそれは……悩む僕。
こんなところに以外な評価ポイントがあったなんて。
定期購読はなんとしても阻止しないと。
「欲しいなー」のポイント評価ができるなら、ぽちっとくらいするぞー。




