第43話 AIのミーティングをしたぞ
「それで作りたいのがこのAIだというんですね」
「そうだ」
俺が働いていた会社のミーティングルームに俺は40代投資家と一緒に来ている。
もうふたり参加していて、ひとりは開発部の統括リーダー。
元の上司の上司だ。
もうひとりは営業部のリーダー。
このふたりがオッケーを出せば、マッチングAIの開発はスタートできる。
統括リーダーは俺が作った要求仕様書に釘付けだ。
なんと言っても3日かけて作り上げた力作だ。
いままでと全く違う概念でくみ上げるAI。
正直な話をすると、ちゃんと原作があるんだ。
それは、賢者の魂の思考法。
とにかく賢者の魂のマッチングスキルはとんでもなかった。
魔王を倒すために必要なリソースをひとつひとつ組み上げていく。
その過程において多くの役割を持った人たちが参加していた。
どの役割に誰を当てるか。
それはほとんど賢者の魂がやっていた。
俺は何度も賢者の魂が言う適材適所に反対をした。
「こいつにそんなことができるはずないだろう」
「どうしてだ?」
「だって経験がないんだぞ」
「いいか。経験より重要な物があるんだよ」
その役割に必要となる条件を具体的に客観的に提示する。
俺はそれを聞いて記憶していた。
本当に適材適所なのか、疑問に思いながらな。
しかし結果は賢者の魂が正しいことを証明するだけだった。
俺は賢者の魂によって現場でマッチングスキルを鍛えられていった。
「このAIの基本ロジックには、適材適所の考え方が入っている」
「ああ、分かる。しかし、それはあくまでも基本ロジックです。ひとつひとつのマッチングにおいてトライアンドエラーが必要となるはずです」
「それも考慮済みだ。42ページにそのことも触れてある」
俺が考えたマッチング用のAIは手間はかかるが高性能な能力を発揮するはすだ。
残念ながら、AIを作るには人手が必要で金もかかる。
「開発資金が1憶円か。足りると思いますか?」
「いや。それはあくまでも第一期だ」
「本当にそんなAIに投資するつもりですか?」
営業リーダーは40代投資家に確認を怠らない。
正直言って、ソフト開発は水物でもある。
営業リーダーは嫌というほどその経験を持っている。
「私は可能性に賭けることにしています。1億円なら明日にでも用意はできます」
40代投資家はあっさりと言う。
「うむむ。しかし、どうです? 開発要員の手配はできますか? 統括リーダー」
「それがですが。要員の確保も条件に入れて欲しいんです」
「はぁ~。誰が要員の確保をするんだ?」
思わず、声に出してしまった。
要員がいなければ、開発などできないだろうが。
「自動車メーカーのアプリ開発の話を聞いていまして。あの時のメンバー選択をこちらでもやって欲しいんです」
あ、そうか。
統括リーダーは車屋の常務と仲が良かったな。
あっちでの開発の話も聞いているようだ。
「なら、優秀な技術者を100人ほど集めて欲しいのだが」
100人いるなら、開発に使える10人は見つけることはできるだろう。
「優秀な技術者はいます。それも3000人」
「それはすごい。なら要員確保は余裕ではないのか?」
「ただひとつ、問題がありましてね」
「なんだ?」
「その3000人の技術者は他社の人間なんですよ」
おいおい。
他社の人間でどうしろと言うのか?
意味が分からないな。
「AI技術者の要員確保でスカウティングを頼みたいんです」
はぁ~。
なんか意味分からないことを言い出したぞ。
統括リーダーが。
今日の星占い
今、天体では大きなイベントが起きています。
太陽と土星、冥王星が1度以内に入る、完全なる合という状態にあります。
あなた自身を表す太陽と、土星と冥王星が重なることで、
ふたつの大きな流れが交差しているんです。
土星は社会との規律ある行動を示します。
冥王星は逆に破壊と再生を意味し、革命的変化を示します。
新たな時代への適合の仕方を選択するタイミングにあります。
長く続く社会に合わせて生きていくか。
新しい社会を模索しながら生きていくか。
それぞれの生きていく道が今日の行動によって決まっていきます。
どちらの道を歩むとしても、今日、自発的に行動する人はこれたらも自らの道を切り開くことができるようになっていきます。
逆に今日、自発行動しない人は、これからも周りに流される生き方になります。
だからといって、今までやってきたことを大きく変える必要などありません。
ちょっとした新しいことをするだけでいいのです。
今は小さな変化だとしても、土星と冥王星という力強い星のエネルギーを得て、
だんだんと大きな変化に繋がっていきます。
たとえば、この下にあるポイント評価で「ほちっ」としてみるのもお勧めです。
お勧めなんですよーーーー本当に。(笑)




