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第38話 反撃には状況確認が欠かせないよな

やっとローファンタジー日間1位になれました!

トップ5には30日間も入っていたのに、1位になれずにいました。


ありがとうございました。


ついでに月間総合9位に入っていました。

トップページに載っていました。


びっくりです。


これも皆さまが評価ポイントを入れてくれて、ブクマをしてくれたおかけです。

ありがとうございます。


「全国フットサル連盟の発表、いよいよですね」

「ああ。そのようだ」


今は、ニッキーが良く来ているというスポーツバーに来ている。

俺とニッキー、カスミに日本フットサル協会の理事長の4人が集まっている。


営業時間前なので、大きなスクリーンには民放の報道番組が映っている。


「しかし、やられてしまいましたな。まさか連盟がこんなに早く動くとは」

「さすがに俺もここまで迅速に強力なライバルが登場するとは思わなかったぞ」


連盟と皇帝ガズが関係していることは情報が入っている。

ただ、もうひとり、主催者として参加している奴がいるとの情報をつかんでいる。


どうも、そいつが黒幕で連盟と皇帝ガズは、その黒幕の話に乗った形らしい。


「ニッキーは黒幕に思い当たる奴はいないのか?」

「いませんね。正直言って、Jリーグやフットサル関係ではないと思うのですが」

「まぁ、記者会見を観れば分かるはずだ。発表を待つしかあるまい」


スクリーンは発表会場を映している。

お、出てきた。


最初は皇帝ガズだな。

次が全国フットサル連盟の理事長だな。


で、その後・・・なんだ?


発表会場の檀上に上がった3人目。


「あいつか」

「翔太さん。知り合いですか?」

「ああ。俺が前に勤めていた時の上司だ」


そう。

俺が会社を辞めるときに殴った相手。


人の手柄を自分の物にする天才。

あいつの被害にあったのは俺だけじゃなくて、何人にも似たような話を聞いている。


とにかく、手柄を奪うことと、ごますりだけで出世してきたという猛者だ。


なぜ、あいつがあそこにいるんだ。


「より多くの人にフットサルの魅力を知って欲しくて、この企画を立てた次第です」


もっともらしいことを言ってやがる。


単に俺たちが成功しているのを見て真似しただけだろう。


「ひどい。翔太さんが考えてやってきたのに。ね、翔太さん」

「ああ。真似されるのは想定内だが、皇帝ガズが出てくるとはな」

「連盟が絡んでいるなら、それはありますね。連盟の理事長と皇帝ガズはいとこ同士でしてな」


どうやって、あの手柄泥棒が連盟と繋がったのかは不明だが、皇帝ガズが出てきた理由はそれだな。

となると、どこまであの手柄泥棒が絡んでいるかが重要だ。


「ぜひとも、元Jリーガーの素晴らしい技を身近で見てもらうために参加をお待ちしています」


「完全に翔太さんのパクリじゃない」

「いや、違うな」

「ええ、違いますね」

「えっ、違うんですか?」


俺とニッキーは気づいたが、カスミと理事長は気づかなかったようだ。

俺たちの企画を真似したつもりだろうがそうなっていない。


ただ、皇帝ガズが何を言うか。

そこが重要だな。


皇帝ガズにマイクが渡ったぞ。


「元Jリーガー達は多数参加します。きっと素晴らしい発見があるはすです」


おや、元Jリーガーを強調するじゃないか。

となると、皇帝ガズは試合にはでないということのようだ。


「ニッキー、皇帝ガズはフットサルの試合にでないのか?」

「どうも、そのようですね。J1復帰するのに、よくそんな時間があるなと思っていたんです。もし、私に復帰の話があったら、申し訳ないですが、私もフットサルをしている余裕はないですから」

「そうか。皇帝ガズは単なる宣伝担当ってことか」

「そうでしょうな。いくら、いとこの連盟理事長に頼まれたとしても、選手としての時間を削ってまでやったりしないでしょう」


うん。

大丈夫だ。


まだ、俺たちのビジネスは終わっていないということだな。


「ニッキー、いけるな」

「ええ。いけますね。今は、華やかなことをするんじゃないってことですね」

「その通り。俺達のポリシーを貫けばいいってわけだ」

「ふたりだけで納得して。カスミにも分かるように説明して」


どう説明したらいいのか。

ちょっと考えてから、一言だけ言った。


「俺たちのフットサルイベントはポリシーがあるんだ」

「えっ、元Jリーガーのお仕事づくりじゃないの?」

「いや、それは一つの効果でしかない」

「じゃあ、ポリシーって?」


「「楽しいフットサル試合をする」」



おっと、ニッキーと言葉が重なった。


しつこいくらい、打ち合わせで言い続けているからな。


元Jリーガーと一緒に試合をするというは、集客するために必要なキャッチフレーズだ。

ポリシーは違う。


本来、個人で参加する個サルには、今の2倍以上の需要がある。

実際、少し前にはそれだけのフットサル人口がいたんだからな。


なぜ、それが半分にしぼんでしまったのか。


それは、個サルで参加した試合が求めていたものではなかったからだ。


楽しい試合がしたい。


それがガチ勢と言われる本気でフットサルをしたい人でも、エンジョイ勢と言われる気楽にやりたい人でも。


楽しい試合がしたいって気持ちはある。



そこを実現するために、元Jリーガーを投入する。

これが俺達のポリシーだ。



参加したすべてのメンバーが楽しいと感じる試合を実現する。


そのために、何をしたらいいのか。

元Jリーガー達はずいぶんと話し合っている。


その結果がリピートという形で表れている。



「おおっ、ずいぶんと大きくスタートするようだな」

「そうようですね」


連盟の方では、初日100会場でスタートするらしい。

参加する元Jリーガーは500人になる。


「初日は集客は大丈夫でしょう」

「テレビを使って、大々的に発表しているんだからな」

「きっと、あちらは大喜びですな」

「そうだろう。問題はその後だな」

「その後は楽しみですね」

「ああ、楽しみだ」


本気で楽しみになってきた。


俺は、メールを一本だけ入れてみた。


あの手柄泥棒にだ。


「一度、お話を聞かせてください。つきましては…」


初日の翌日に会って話したいという内容。

きっと、あの手柄泥棒なら、喜んで乗ってくる。


そのときの勝ち誇った手柄泥棒の顔を想像すると楽しくてしかたないぞ。


そういえば、賢者の魂がこんなことをよく言ってました。


「何も足さない。何も引くこともしない。そのままを受け入れることで輝きだす。それが評価ポイントと言う物だ」


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― 新着の感想 ―
[一言] 自分達だけで組織を回せる内に連盟を潰すのかな? ある程度組織が大きくなると連盟側の人間が入り込むし。
[一言] ニッキーの名前で売れてるなら皇帝ガズならもっと人は集まるだろうというわけですか。 最初に成功してしまうと過剰投資するだろうから余計傷が深くなりそうですね。
[一言] シングルモルトのようだ。
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