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第35話 フットサルイベントで俺はナンパをした

今回のイベントには元Jリーガーが参加するとあって、応援する人たちも集まっている。

試合に参加する人の友達が多いが、ニッキーのファン達も集まっている。


「楽しんでる?」


俺は応援している女の子に声を掛けた。

女の子同士で来ている人だけでなく、カップルで応援している女の子にも声を掛けた。


「ん? あんたは?」

「私はこのイベントを主催している者だ」


どうみてもナンパとしか見えない行為だが、主催者というブランドは効くな。

フレンドリーに話掛けると、フレンドリーに答えてくれる。


「楽しんでますよー。だって友達がニッキーと試合してるんだもん。すごいと思わない?」

「すごいよな。友達は何番かい? 3番の選手か。ほらボールを取ったぞ。いける。ほらゴールしたぞ」

「やったー、かっこいいっ。なんかプロっぽいわ」


ニッキー達、元Jリーガーはうまくやっているようだ。

参加者に気持ち良く試合をさせる。


主役は参加者。

もちろん、元Jリーガーの素晴らしい技も見せている。


だから、応援している人たちも熱が入る。


この一体感。

これが欲しかったんだ。


「実は今。イベントのサポーターを募集していてな」

「サポーター?」

「要はアルバイトなんだが。メール処理等の手伝いをしてくれる人たちを募集している」

「それはいいな。俺やりたいな」

「ごめん。男性は駄目で女性限定なんだが」

「あー。バイト代いいの? 私、学生だからやってみたい」

「残念ながら最低賃金くらいだからバイト代はよくはない。ただ、サポーターになってもらえるとイベント打ち上げに関係者として参加できる特典があるんだ」

「もしかして、ニッキーも来るの?」

「もちろん。試合に参加した元Jリーガー達はみんな来るぞ」

「やるっ。どんなことしたらいいの?」


うん。この娘はよさそうだ。

何気なく話しているが鑑定スキルを発動しているから、持っている能力が丸わかりだ。


メール処理をするには、文章から相手の気持ちを読み、それに応じたレスをする能力が必要となる。

さらに継続力や安定して作業をする能力、他には問題をあらかじめ見つける力等々。


そのふるいにかけると、いままで声を掛けた20人の女の子のうち、今のところ、できそうなのはこの娘だけだ。


「1日2時間で週5日。自宅での作業だけど、できるかな」

「詳しい話を聞かせて欲しいわ」


サポーターは5人集める予定だ。

このサポーター達が元Jリーガーのイベントを継続させる鍵となるんだ。


「では、今日の打ち上げに 来れるかな」

「いくーー」


うん、まずはひとり。

今日もまだまだ試合があるし、あと2日あるから、5人は集められるだろう。

次のサポーターを探すために、別の女の子に声を掛けた。


「なに? おっさん。ナンパ?」


こいつは駄目だ。

話しただけでどうしようもないって分かるぞ。


「別にいいよ。どうせ暇だし。フットサルの試合するから見に来てくれって言われてきたけど、つまんない」

「そうか」

「おっさんも暇なら、一緒に遊ばない? おっさん、お金持ってる?」


お金も暇もあるけど、お前みたいな女の相手するつもりはないぞ。


「すまん。このイベントの主催者だから無理だ」

「主催者!? それならお金持ちじゃん。LINE交換しない?」

「ごめんだな」


時間の無駄だ。

もっといい女なら一緒に遊ぶのは歓迎だけどな。


そんなこともありながら、今日はサポーター候補の3人を見つけた。

他にも一緒に遊ぶ候補が5人ほどできてしまった。

そんなつもりはなかったんだがな。


こっちの世界に戻ってきてからはモテモテになったらしい。

今は女よりビジネス優先だけどな。


「どうしたんだい」

「あのね。友達がみんな、いうの。僕の好きな物が変だって」

「いいことだよ、好きな物があるって」

「そうなの?」

「そうだよ。言ってみなよ、大きな声で。これが好きだって」

「うん。評価ポイントが大好きだーーー」

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[一言] 作者さん、あんたの評価ポイントに対する熱意っ! キライじゃないぜ!
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