第34話 いよいよフットサルイベントは盛り上がってきたぞ
やっと10万PV/日になりました。
読んでくれている、あなたのおかげです。
「ニッキー。いよいよ、イベントが始まるな」
「ええ。あと、30分でスタートです」
イベントと言っても、毎日8試合のフットサルが行われるだけだ。
特別に開会式などはないが。
「これから15分の事前ミーティングの準備をします」
「頼んだぞ」
「分かっていますよ。この試合を参加した人たちが経験したことのない試合にしてみますよ」
ニッキーをはじめ、元Jリーガーたちはファンサービスの大切さをよく知っているから助かるな。
イベントのフットサルもしっかりとした試合だから勝ち負けはある。
しかし、試合に勝つことよりも参加した人たちが楽しく試合ができたかが重要ポイントだ。
元Jリーガー達が試合に勝つことだけを考えて参加したら他の選手は面白くならない。
ちゃんと他の選手を活かして試合に勝つことが重要なのだ。
だからこそ、たった15分とは言え事前ミーティングが大切になるのだ。
「最低50%は次の試合参加予約券を売ってくれよな」
「もちろんです。私は100%を狙っていますよ」
ニッキーならできそうな気がするな。
他の元Jリーガーもそのくらいの気合があればいいんだが。
Jリーガーと一緒に試合をする、というイベント。
本当の勝ち負けは、参加した選手に「次も参加したい」と言わせることができるかどうか。
あくまでも金を出しているのは一般参加の選手たちだ。
その選手たちの楽しさを生み出すことができたのかどうか。
そこが評価ポイントになる。
それを評価するために試合が終わった後、次の参加予約券を売る。
売れた数で元Jリーガーたちの評価が決まるのだ。
あまり評価が高くない元Jリーガーは次のイベントには参加させない。
参加を継続するためには評価を上げるしかない。
ニッキーと対する元Jリーガーも事前ミーティングを始めた。
何やらスケッチ帳に書きながら作戦を説明しているようだ。
ニッキーはひとりひとりと何やら話している。
それぞれの経験を元に役割を決めているのだろう。
15分はすぐに終わり、試合がスタートした。
本来、選手としての力はニッキーの方が上だ。
しかし、ニッキーは他の選手の支援に力を入れているようで全体を見て動いている。
対する相手は、元Jリーガーが守りに入っている。
あれを突破しないとシュートが決められない。
なかなか、難しいところだな。
ニッキーが絶妙なパスをして元Jリーガーの後ろにいる選手にボールが渡った。
チャンスだ。
シュート・・・あれ。外した。
やっぱり素人だな。焦りすぎだ。
すぐに戻って敵の攻撃に備える。
その後、試合は点の取り合いになった。
お互い元Jリーガーはシュートを打つことなく、他の選手に打たせている。
おっ、また1点入った。
どっちが勝つか、分からなくなってきた。
しかし、後半になるとニッキーのチームが得点を重ねるようになってきた。
ニッキーは前半と後半でポジションを全員変えている。
疲れが出ることを見越した作戦だな。
それが活きて点差がついていく。
ピー。ホイッスルが鳴って試合終了。
ニッキーチームの勝ち。
最後は相手チームと握手している。
うん、いい試合だった。
いきなり組んだチームには見えないな。
それぞれが反省会をしている。
その間にも次の試合の準備が進む。
事前ミーティングがあり、試合がスタート。
元Jリーガーが入れ替わりながら、試合を進行していく。
どの試合もいい感じで進んでいく。
正直な話、今回は誰もが初参加だからそれぞれのスキルが分からないままチームを組んでいる。
だから力の差が大きい。
それをカバーして試合を組み立てる。
元Jリーガーに求められているのは、なかなか大変なことだ。
だけど、皆よくやっている。
「僕らが上手くやることができたら、元Jリーガーの新しい仕事が生まれるんですから」
そんなことを言っていた。
やる気十分だから、大丈夫だろう。
俺は安心して、後はニッキーを中心とした元Jリーガーたちに任せた。
元々、俺は表に出る存在じゃない。
イベントをプロデュースするだけで、実際の運営は元Jリーガー達だ。
俺はイベント中にもう一つの仕事をこなすことにした。
初夢は、1富士、2鷹、3評価ポイント、だね。




