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第25話 俺は巨乳は素晴らしいと思う

「いやぁ。すごかったな」


まだラッシュが始まる前の山手線。

俺はシートに座って、昨日の夜を思い出していた。


カスミがピチピチな肌だとすると、純ちゃんはしっとりとしたモチ肌。

モチ肌って、話には聞いていたけど、実際に経験するのは初めてだったな。


吸いつくような、という形容詞がつくのが分かるな。

そのうえ、巨乳だからな。


俺はこっちの世界では、大して女性経験がある訳ではない。


プログラマー一筋だったから、コミュニケーションに問題があった。

女性からみると、興味の対象外となるのだろう。


だから、経験はプロのお姉さんくらいだった。

異世界に行く前はな。


帰ってきてからは、カスミだけ。


もっとも、あっちの世界なら相当経験も積んでいるぞ。

すごく多いと言う訳ではないが、それなりにな。


上級冒険者になった頃には、いくらでも女は近づいてきた。

異世界では見た目やコミュニケーション能力より稼げる力。


上級冒険者になると1日で金貨何枚も稼ぐ力がある。

モテモテになるのは当たり前だった。


しかし、俺の場合は賢者の魂が邪魔をする。


「今、やることは何か」

「何言ってんの。こんないい女が目の前にいるんだぞ。やることは決まっているだろう」

「そんな時間はない! 今は鍛錬を優先するんだ」

「嫌だっ」

「なんだとー。これでも喰らえっ」

「うわーーー、やめてくれっ」


すべてが魔王討伐という大目標で考える、賢者の魂。

女にうつつを抜かしていると、強引に介入してくる。


例外が危険な闘いの後だ。

命を懸けた闘いの後は、安らぎを女の身体に求める。


そのくらいは自然なこととして、賢者の魂は認めていた。

それ以外の恋愛など、もってのほか。

時間の無駄でしかない。


一度、俺は恋に落ちたことがある。


「このまま魔王のことなど忘れて、この女と小さな家でも買って静かに暮らしたい」


そんな夢を見てしまった。

もちろん、賢者の魂がそんなことを許すはずもなく、結局は旅立つことになった。


魔王を倒して戻ってくる。

魔王を倒せば賢者の魂も成仏してくれるだろう。


そう信じて、本気の約束をした。

それも叶わぬ夢になってしまったが。


そういう恋も含めて、いろんな女と経験は積んでいた。

30年という長い時間の間で。


「だけど、あっちの女の肌は丈夫だったんだよな」


直射日光を浴びるのが当たり前と思われている時代。

肌を守るものは貴族であっても簡単なクリームだけ。


しっとりとした肌なんてものには出会えなかった。

巨乳もあまりいなかった。


あと、純ちゃんはすごく気持ちいいエッチをしてきた。

まぁ、経験豊富なのだろう。


本人もエッチが好きというだけあって、上手い。


カスミがまだまだエッチの気持ち良さを知らなかったから、エッチは抑え目にしていた。

その点心配がない純ちゃんには、本気で対抗してみた。


その結果、僅差で俺の負けというとこかな。


「なかなか上手ね」


と言ってはくれたが、彼女の想定内というとこか。

俺には初めてな経験が多くて、制御不能なことが多かった。


居酒屋に行ったのが4時くらいだから、ホテルに入ったのは6時くらいだろう。

それから深夜まで、ずーっとしていた。


俺も驚くほどタフだなと思うくらいに。


体力的な限界を精神的にカバーする。

そんなとこに、賢者の魂の教えが活きていた。


「昨晩は楽しかったわ」


早朝に起きた純ちゃんは手早く準備すると帰ると言った。

俺も一緒にホテルを出た。


まぁ、純ちゃんが何を望んで俺とこういう関係になったのか。

そこは分からない。


本気で分かろうとすれば、鑑定することはできる。

だけど、それはしないことにしている。


男女の関係は分からないことがあるから、面白いんだ。


そういえば。

カスミのことをよく分かっていないな。


俺が朝帰りしたら、どんな顔をするのだろう。

考えたこともなかった。


まぁ、純ちゃんと抜け出したのはバレバレだから、待っているのは修羅場かもしれないな。

だけど、男女の修羅場とかいえているのも平和な証拠だな。


それはそれで楽しむことにしよう。


☆   ☆   ☆


「お帰りなさい。ちょっと待ってね、お味噌汁温めるから」


この反応は想定していなかったな。

カスミはニコニコした笑顔で迎えてくれた。


「今日は1日、部屋で調べものになるぞ」

「そうなのね。なら、今日はふたりで過ごせるのね。嬉しい」


まるで何もなかったようにふるまうカスミ。

それはそれで、どういう心境なのか、分からない。


だけど、大きな問題がないから、気にすることはしないようにするか。

もし、明日の朝、書置きだけテーブルに置かれていなくなったとしても、それはカスミの自由だからな。


「昨日はフットサルの若い人たちと遅くまで飲んじゃった」

「そうだったのか。楽しかったか?」

「うん。みんな紳士でかわいがってくれたの」

「それは良かったな。こっちに来て初めての友達か」

「うん。私もフットサルに誘われちゃった」


カスミがフットサルをするのか。

それはいいかもな。


そんな話をしながら、元Jリーガーを交えたビジネスプランが組みあげていった。


ありゃ、修羅場にならない。


なんでーーー。


と気になったら、ブクマと↓で評価してみてね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 25話 なんでか気になるのでブクマしました
[気になる点] 前彼の浮気で傷付いてた未成年?のカスミを男20人犇めく居酒屋に置いてけぼりにして違う女と消えるとか。。 なんだ、ただのクズか。
[良い点] 朝帰り! カスミちゃんを横目に持ち帰り! やりますね! カスミちゃんは正妻の余裕なのか、それとも自分も楽しんできたからおあいこか! 次回も楽しみにしてます!
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