第20話 異世界帰りの検証してみた
「しかし、まぁ。異世界に比べて令和日本は緩いな」
異世界から戻ってきて3週間ほどが経った。
その期間で、すでに1600万円も稼いでしまっている。
生活していくには十分すぎるお金だ。
「まぁ、魔王を倒すほどの数多くの経験があるんだから当然だろう」
ただの異世界帰りでは、こうはならないかもな。
だけど、異世界にいた時の魔王を倒すという大目標を持って頑張ってきた。
そのために必要な経験を積んできた。
積むと言うより、積まされてきたというのが本当だろう。
賢者の魂が、「あれやれ」「これやれ」と頭の中で騒いでいた。
ちょっとでもサボろうとすると、「今が肝心な時だ」とか「自分に負けるな」とか。
とにかくうるさかった。
とてもできそうもないことでも、「できる」って言い続けていた。
それが30年。
よく耐えてたと思うぞ。
魔王打倒という大目標を達成して令和日本に戻ってきた。
こっちにまで賢者の魂はついてこれない。
だから、俺は自由に生きることにした。
目標がない人生。
それもいいじゃないか。
とにかく30年間、ずっと休みなく賢者の魂に走らされ続けていたからな。
しかしまぁ、目標がない生き方というのは、どうしたらいいのか。
ちょっと迷う部分もあるな。
「まぁー、スローライフでいいか」
そう、スローライフ。
大きな仕事をやり終えたんだから、第二の人生はスローライフがいい。
気楽に身に着けたスキルを活用して、気楽に生きる。
もっとも傍目には、なんの環境もないまま1カ月一千万円以上稼いでいるから、全力疾走でもしているようにみえるかもしれないな。
俺にとってはただのスローライフだ。
賢者の魂の追い込みは半端にない物だったからな。
あの頃のことを思えば、今やっていることなんて、ただの準備体操にしかならない。
「だが、異世界で得たスキルはなかなか使えるな」
この3週間でそれを実感している。
アイテム鑑定は、お宝発見に役立って捨てられてしまうお宝をお金に換えることができる。
もっと使いでがありそうなのか、人物鑑定だろう。
この世界の上に立つ人には、人を鑑定できるスキルを持った奴がいなさすぎる。
俺が人物鑑定でリーディングした能力と、上司の評価が不一致になっている人が多いぞ。
地味子なんか、その典型的な一例だな。
俺と一緒に少し働いただけで、一気にリーダー素質が現れてきた。
潜在能力が花開いたようなものだな。
俺がやったことは、ただ適材適所をしただけ。
それなのに、チームの連中は自分の能力を活かして勝手に動いてくれる。
このやり方は楽で効果があるから、これからも使いまくるとしよう。
「さて、これからはどうするか」
AI開発の俺の役割は終わりだ。
収入に関してはとりあえず問題はなさそうだ。
遺品整理の社長たちが送ってくる動画で、お宝発見をしていればちょっと贅沢くらいの生活費は余裕で稼げるしな。
1日1時間で月収100万円程度はいけるだろう。
だが、それだけではつまらない。
もっと、いままでやったことがないことをやってみたい。
面白そうなことをしてみたい。
そのためには、向こうで手に入れたスキルをどう活用するか、だな。
魔王を倒すために、装備やスキル、仲間、支援者、いろいろと組み上げる必要があった。
単に戦闘スキルや魔法スキルだけでなく、多種多様なスキルが必要だった。
おかげで、いろんなスキルを手に入れていった。
魔法関係はこっちの世界で使えないのは確認済みだ。
魔法を生み出す魔素がないんだから、それは仕方ないだろう。
鑑定スキルが物にも人にも効果があるのは確認済みだ。
これはこれからもきっと役立ってくれるだろう。
対人スキルは、社会構造が違うから、使い方にアレンジは必要だ。
貴族相手のスキルは、お偉いさん向けにアレンジして使えるだろう。
社会構造は違っても、上に立つ人間は同じようなタイプが多いからな。
あとは、戦闘スキルか。
戦闘スキルは使えるとは言え、使えるシチュエーションは限られるだろう。
下手に使って、犯罪者になるのはごめんだからな。
もっとも、どんな相手にも負ける気がしないというのは役立つことだろう。
さて。
こんな俺が、今、やるべきことはなんだ?
スローライフという基本方針は決まったが、実際に何をすればいいのか。
そこが分からない。
まぁ、流れに身を任せるというのがいいのだろうな。
わーい。
ローファンタジー日間2位に返り咲きました。
ブクマや評価をしてくれた皆さんのおかけでです。
ありがとうございました。
今日のお話はインターミッションですね。
次からまた、新しいビジネスの世界に突っ込んでいきます。
「どんなことをするまのか?」
と興味を持ってくれたなら。
ブクマをお願いします。




