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第113話 手柄泥棒、無限の力を手に入れる

「お前は誰だ?」


私はいきなり現れたこの世の者とは思えない美人に話しかけた。


「我は全知全能の神なり」


キターーー♪

なんと、ただの女神じゃないぞ。


全知全能の神! 唯物神! 天地創造神!


ん? なぜ、そんなすごい神様が出てきたのか?


「世界の崩壊を手助けする人々に神の怒りのハンマーをくだすためじゃ」


おおー、やっぱりあいつらは神に嫌われているのか。

やり方が汚いからな。


「それで私に力を与えてくれるのか? すっごいチートが欲しいぞ」


せっかくの機会だから、最大限活かさなければな。


「もちろんじゃ、我の力をすべて与えよう」

「ええっ、すべて! 要は私が全知全能の存在になると?」

「その通りじゃ、お前が考えたことが実現する、どうだ、やるか?」

「もちろんだ。全知全能の力を与えてくれ!」


叫ぶように言うと、女神が輝きだす。

輝きの中に太い光が私の身体に当たり、温かい何かが流れ込む。


「これは!?」

「神のエネルギーの注入じゃ。受け取るのじゃ」

「もちろん、全部いただくとしよう」


時間にして5分ほど。

女神のエネルギーが流れ込み、私の身体はエネルギーで満たされた気がした。


「この受け取った力、どうやって発揮するのだ?」

「すでにお前はその使い方を理解している。自らの欲求に正直になれ!」


よくわからないが女神がそう言っているなら、そうだろう。

私はなんと全知全能の存在になってしまったのだ。


その瞬間、女神も白い部屋もすべて消え去ってしまった。


☆  ☆  ☆


「なんだ?」


手柄泥棒が10倍ポーションを飲み干した後。

なぜかどこからともなく黒い霧が発生した。


「な、なに?」


おっ、エリカが目を覚ましたようだ。

身体をおさえつけていたSP達を魔王ちゃんが無力化したことで自由になり、エリカが僕のとこに向かってきた。


「翔太さん!」


しっかりと抱き受ける。


その間にも、黒い霧は濃度があがりつつ広い範囲を覆い始めた。

次第に黒い霧はすべて手柄泥棒の身体に吸収されていく。


「何が起きているんだ?」

「やってしまったようだ。邪悪なる存在に魅入られたようだぞ」

「邪悪なる存在?」

「残留思念と呼ばれるものの集合意識だ」


うわっ、残留意識と言えば、無念のまま死を迎えた人の想いが死んだ後も残ったものだろう。

それの集合意識って、どこまでヤバイものなのだろうか。


「10倍ポーションは身体も思考も人の限界を超えて引き出すもの。それが受け入れきれずに爆ぜる奴もいる」

「爆ぜてないよね」

「こいつは、無念の塊のような男だから、その無念のパワーが極限まで強まったようだ」

「それが、無念の集合意識を引き寄せたと?」

「そのとおりだぞ」


うわっ、あれか。

ダークサイドに落ちたってことか。


「早く始末しないヤバイ状態になるな」

「その通り、いくぞ」


いつの間にか魔王ちゃんは杖ではなく、でかい鎌を持っていた。

死神が持っているような鎌で、魂までも刈り取れそうだ。


「はい!」


武器はもってきていないが、身体能力も思考能力もポーションで上がっている。

異世界での経験も使えば、手柄泥棒なんて倒すのは容易いものだろう。


「とやっ!」


まだ、黒い霧を吸収しつづけている手柄泥棒の頭に向かって廻し蹴りを喰らわせる。

後頭部に綺麗に決まる瞬間、堅い何かに阻まれた。


「いっつ!」


右足首にダメージが入った。

骨折している感じだな。


「次は我がいくぞ」


今度は魔王ちゃんが手柄泥棒の頭から両断する勢いで巨大な鎌をふるう。

しかし、これも又、頭の10㎝手前ではじき返される。


「なんと。我が鎌が効かないと?」

「ぐわっはっは。無駄だ、無駄。私は女神の全知全能の力を引き継いだ者。そんなおもちゃは痛くも痒くもないわ」


やばい。魔王ちゃんの鎌も効果なしか。

何か方法ないのか?


「うーむ。我が力も、そやつの力も闇属性で打ち消しあうことになる。闇を倒すには光の力が必要だ」

「光の力って、聖女がいなければ無理じゃないか!」

「その通り! その女、光の力を見せてみよ」


えっ、なんでエリカを魔王ちゃんが指さすの?

異世界で魔王倒すために協力してくれた聖女さん…エリカじゃないでしょ。


「ええー、私?」

「なんだ、聖女の記憶はないのか? お前が放った百裂滅闇輝煌波は強烈だったぞ」

「え、ひゃくれつ、え? 何?」


魔王ちゃんはローブの中から取り出した光輝く透明な液体が入った瓶を取り出した。


「何も覚えてないのか! これを飲め!」


エリカは瓶を投げられた瓶をキャッチするけど、混乱しているな。


「えっ、これ、飲むの?」


俺のことを見ても、俺も分からないのだが。

なんだ、それ?


「いいから飲め!」

「はいっ」


魔王ちゃんの指示でやっぱり腰に手を当てて一気飲みする。


すると…


この小説の途中まではバリ島で書いていたんだ。

バリ島では、向こうの料理を中心に食べていて、特に多く食べていたのは。


ナシゴレン。ミーゴレン。アヤムゴレン。


こうやってみると、ゴレンが付くのが好きみたい。

ゴレンってインドネシア語で、揚げるとか、炒めるとか、そういう意味。

ナシがご飯で、ミーが麺、アヤムが鶏肉。

だから、焼き飯、焼きそば、揚げ鶏肉、になる。


だけど、僕が一番好きなゴレンはね。

ゴレンセイ、かな。


どんな意味かというと…ゴレンセイは五連星。


五連星が欲しいなーー。下で。ぽちっとしてね。

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― 新着の感想 ―
[一言] これで終わり?
[良い点] 面白かったです。 特にと言うと違ってしまいますが、後書きが秀逸で思わずポチッとさせられました。 [一言] 続きが公開されることを期待しております。 応援しています。
[良い点] 追いついたwww(^^)/ 2日かそこらで最新話まで追いつくとわ、恐ろしい勢いで読みあさったでーーー [気になる点] あー、クライマックスちかいのかいなーーー?
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