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3.そのとき詩織は

一方、時は戻って白い光に包まれた後



 あれ?白い光に包まれたと思ったら

「ここはどこかしら?」

「こんにちは、貴方は詩織さんでしょうか?」

「あら、」


 美人さんだわ。綾花が羨ましがるだろうなぁ。


「何か?」

「いえいえ何でもございません」

「貴方は詩織さんで間違いありませんか?」

「えぇ、はい、そうですよ」

「あぁ、よかったです。人違いでしたら、恥ずかしかったので」

 

 そういい、頬を赤らめるのもおしとやかさが滲み出てるわ。


「呼び名がないのは話しづらいでしょうから、私のことはアルテとお呼びください」

「はい、わかりました。では、アルテさん、少し質問をよろしいでしょうか?」

「はい、良いですよ」

「まず、ここはどこなのかしら?」

「あぁ、先程からおっしゃられていましたね」

「えっ、声に出ていたんですか。恥ずかしいいぃ」

「いえいえ、普通のことだと思いますよ。むしろ、愛らしいと思いますよ」


 そう思いつつ、彼女をよく観察する。夜空を切り取ったような艶のあるぶどうのような濃い紫色の髪と満月のような黄金色の瞳。「立てば百合」という言葉がいかにも似合う可愛い人。そして、アルテさんの肩にとまっている銀色の毛玉ーー小鳥はとても毛並みがよく、ふわふわしていた。羨ましい。


「あ、話しがそれてしまいましたね。申し訳ございません」

「いえいえ、お気になさらず」

「ここは神の作った神のための空間なんです。

それで私を含め、皆が利用しております。―――

――――――以上でよろしいでしょうか?」

「はい、ありがとうございます」


アルテさんの肩の小鳥がアルテさんをつついていた。


「あぁ、そういえば転移・転生者特典について話すのを忘れていました」

「何ですか?その、『入会特典』みたいなものは」

「えっと、まず種族を変えることができます。しかし、既存のステータス値によって選べるものも変わります。いかがしますか」

「お願いします」

「はい、わかりました。では、」

――――――――――――

・人族

・エルフ

・吸血鬼

――――――――――――

「あのー、質問してもよろしいでしょうか?」

「はい、何ですか?」

「吸血鬼ってどんな種族なんですか?」

「あぁ、なるほど。では順に説明していきますね」

「ありがとうございます」

「お気になさらず。まず人族ですね。人族は名前の通り人ですね。詩織さんはおそらく、これに区分されます。人族はこの世界の中では短命種とされる種族です。長所はわかりません」

「アルテさんは何でも知ってそうに見えるので、ちょっと意外です」

「ふふ、生き物は皆、()()()()()()()()()のですよ」

「そうですねぇ」

「はい、気を取りなおして、次はエルフですね。エルフは長命種に分類される種族で、魔法や弓の扱いに優れています。あ、あと、そちらの世界の文献にもあるように耳が尖っています」

「弓......」


 そう!何を隠そう詩織さんは弓道部なのだ!小学生で弓の魅力を知り、中・高で弓道をしているのであった。


「最後は吸血鬼ですね。あまり、選ばれたことのある人がいません。かなり珍しいです。長命種で戦闘民族の1つです。日光に当たると死ぬと言われていますが、UVカットの日焼け止めクリームを塗れば防げます。ちなみにこれは吸血鬼になった場合差し上げます」

「そんなのでいいんですね」

「いいそうですよ。続きをお話しますね。満月の夜は一時身体能力向上――いわゆるステータスUPになります。あと、コウモリにはなれません。羽を使って飛ぶこともできます。ちなみに羽は出し入れ可能です。以上で説明を終わります。決まりましたか?」

「私は――エルフになりたいです」

「それで良いんですね?」

「はい、もちろんです」

「わかりました。それでは見た目変更をしましょう」

「あ、それなんですけど胡桃色の髪でアルテさんみたいな綺麗な黄色い瞳にしてください。それで私の眼を良くしたりできませんか?」

「褒められると、照れますね。もちろん、できますよ。少し、お待ちください」


▲▽▲


「どうですか、眼鏡を外してみてください」

「わぁ」


 裸眼でも視界がくっきりはっきりとわかる...


「アルテさん、ありがとうございます」

「いえいえ、決まりですから」


 突然、アルテさんの肩に乗っている小鳥がアルテさんを蹴っていた。


「どうしたの?あ、そうだった」

「どうしましたか?」

「えっと、もう1つ特典としてレシピ帳を差し上げます。片方は料理用で綾花さんのもので、もう片方が裁縫関係で詩織さんのものとなっています。これは魔道具(マジックアイテム)で、作ったもののレシピが自動で記載されます。材料は全てこちらの世界のものでかかれています」

「へぇ、便利ですねー」

「あとこちらの世界の衣装です。あなた方の服装では目立つでしょうから。1つ魔法鞄(マジックバッグ)()()()()ので、それに今の服を入れておいてください」

「貸す?」

「はい、どうせあなた方は運が良いので、何処かで入手できるでしょう。新しいものを見つけたあと、私と再開したときに渡してください」

「あぁ、なるほど、わかりました」

「あとは......あ、そうです、詩織さん」

「はい、何でしょうか?」

「何か困ったことがあったら、鏡や湖など自分が映るものにむかって私の名を呼んでください」

「何から何まで、本当に、ありがとうございます」

「いえいえ、元々私たちのミスでしたのでお気になさらず。急ですが、そろそろ時間ですのでしばしのお別れとなります。最後に、貴女の歩む新たな道に祝福を」



表記していませんが、詩織さん、加護もらったんですよ


次は異世界で綾花sideに戻ります。

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