1章 人類削減計画 4話
「旭?」
友達が声をかけてくるが、無視して俺は大学生を見続けた。
目が離せなかった・・・。
大学生の晴れやかな顔は徐々に青ざめていき、白くなり・・・しかし、笑顔のままで何かをひたすら呟いていた。
「・・・さい、あ・・・が・・・れば、いつ・・・こ」
そして言葉が聞こえなくなった途端、大学生の全ての動きが無くなった。
息もしてないんじゃないかと思うほど。
いや、実際には息どころか心臓も動いていなかったのだが。
俺と友人が心配に思い駆け寄ろうと下瞬間、黒い大きなバスが来た。
バスと違うのは運転席の隣に助手席がある事と、後ろ側に仕切りがある事だろう。
黒バスの助手席と後方から計3名の、これまた黒服の作業着の男性が出てきた。
その内の1人が俺たちのところに来た。
「君たち、大丈夫だったかい?」
意外なほど優しい声だったが、そんな事より、質問の意図が分からなかった。
「あ、あの、何が・・・?」
友達が勇気を出して聞いた。
「まあ色々あるけど、この大学生に手を出されたとか、あとは・・・精神的にきつくは無いか?」
そこでようやく俺は気づいた。
ああ、この大学生は死んだのか・・・と。