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1章 人類削減計画 3話
翌日
「お母さん、ただいま!」
「おかえり旭、手洗ってきなさい」
俺は手を洗ってリビングに向かった。
「お母さん、今日も公園で遊んでくるね!」
「はいはい、6時には帰ってくるのよ?」
「はーい」と返事をし、俺はお菓子を片手に家を飛び出した。
母に昨日のことは言っていない。
もし話したら、あの大学生が不審者扱いされる上に、俺が外遊びを禁止されるからだ。
公園に向かうと例の大学生が今日もベンチに座っていた。
「お兄さん、こんにちは!」
「ん?・・・あぁ、昨日の子か。今日も友達と遊ぶのかい?いいね」
お兄さんの顔には笑顔があった。
「何かいい事あったの?」
「嬉しそうに見えるかい?実はな、今日で全てから開放されるんだ。もう親に迷惑もかけないでいい」
「うん?良かったね」
「おーい旭!遊ぼーぜ!」
「うん!・・・ちょっと待って」
何故、あの時の俺は大学生から目を離さなかったのだろう。いや、あの瞬間を見るハメになるのは必然だったのかもしれない。