2/14
1章 人類削減計画 1話
22世紀、減少するかと思われていた人口は、突如起きた各国の人口爆発により住めないほどまでに増えてしまった。
当然ここ、日本も例外ではなく、人口は3億を超えていた。
全ての家が高層マンションとなったが、住居は未だ建設に追われている。
職もまた然りだ。
ロボットに取られると焦っていたが、人間同士で取り合いになっている。
コンビニでさえ正社員制だ。
このままでは経済が破綻する。
そう考えた政府はある制度を設けた。
それが『人類削減計画』。
内容は簡単。
生存意欲がない者は、国によって始末されるというものだ。
了承は取っているのだから構わないだろう、
あくまで合法的だと語るのだ。
一国民にどうこうする術は無い。
ただ、政府の言いなりになるしかないのだ。
俺、成田旭もその1人に過ぎない。
周りで起きる死も始末の多さにより気にならない。
ニュースにも取り上げられないから重要性に欠けるのだ。
政府は金の為に命の価値を下げた事に気づけないのだろう。