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騒動のきっかけ③

この話でいきなり登場人物が増えます。

誰が誰だか混乱するかと思いますが、騒動のきっかけ編が終了次第に登場人物についてのまとめページを作成いたしますのでそちらをお読みください。

それではまだまだ続く断罪パーティー(?)をお楽しみください。


……一体誰が断罪されるのでしょうね?





口を出してきたのは、王族派五侯が一つヘルティシャス家の長子、

ユリアス·フィレン·ヘルティシャスだった。



「ユリアス様……。

 なぜその愚姉のことなど庇うのですか!?」


ヒステリックに叫ぶ我が愚弟。

まあ、貴方ユリアスのこと兄のように慕っているものね。

頭が良くて、優しい見せかけに騙されて。


…でも、残念ね。

その男は()()()()()()()。<冷酷>の名を持つ。



味方には優しいからこの場合騙されたは間違いなのかしら?

一応、同じ王族派五候の一族としてかわいがっていたみたいだし。

それにしても、ユグノー家の人間がこのぐらい見通せないなんて。

あまつさえ姉を馬鹿だと見下し、次期当主に成り上がろうとしている者がこの様とは…。

まあ、私の見せていた成績や言動は全て手の内を隠すために計算していたんですけどね。


「あらひどい。

 姉のことをそんな風に言うなんて。」


挑発のためにわざとあからさまに棒読みにする。

これで気づかないのは貴族としても失格だけれど、食いつくでしょう?

(あなた達は馬鹿なのだから)


「別に貴女のことを姉だと思ったことなんてありませんからね、私は。

 恵まれた侯爵家の人間なのにいつも平凡な結果しか出さない貴女なんて。」


あらやだ、まさかの事実の発表感出しているけれど今更すぎて滑稽だわ。

というか、何だか背後から殺気(明らかに愚弟に向けたもの)がするのだけれど……。


後ろをチラッと見ると五候がひとつウルスター家の長子、

ミュリエッタが鉄扇を開き口元を隠していた。


──私のことを慕ってくれているのがよく伝わったとだけ言いましょう。

目が冷えきっていて、なおかつ魔力を練っていたのは気のせい。

そう気のせいよ。


「……はあ、言っておくがバディエス。

 君の姉は決して平凡なんかではない。

 信じるかどうかは別だが、

 この次期王族派五侯爵の中で最も非凡であるとだけ言おう。」


随分な過大評価ですね。

みんな等しく非凡だと思うのだけれど。


「まあ、学園ではラズが手を抜いてばかりいたので気づかないのも当然ですが。

 それに私は庇うつもりもありませんよ。

 このふざけた企画を知っていながら私たちに伝えなかったのはラズ本人ですからね。

 全くこちらの策が台無しです。

 きっちり策を乱した損害に合う結果を出してくださいよ?」


「あら、それはシュランゲ殿下に言うべきじゃないかしら?

 私は殿下のことを下に見て油断している輩を潰すという楽しい楽しい復讐計画の話は聞いていたけれど、私のことを使って若い芽まで潰すなんて残虐非道な計画は聞いてない。

 第一家族でもなく、友達でもなかった人一名が気づいたでしょう?」


 本当に一番最初に策を崩したのはだあれ?


「嫌だなあ。

 先ほどからも言っているけれど私は何も知らないよ?

 さも私がこの件に関して何か行ったかのように話さないでくれるかい。」


へらへらされているのは余計に腹が立ちます。

本人は冷や汗をかいているし、苦し紛れの返答なのでしょうけど。


「殿下のことはおいといて、ラズ様。

 普通は気づきませんよ?」


殿下の見苦しい言い訳を捨て置いたのは五侯のセツィール家の長子、トゥーク。


「そうです。

 あれは、愛が故になせる業だと思います。ラズ姉様ヘの。」


──────────────!!!


スルッと、五侯と王族の集団に男が1人入り込む。


「ちょっとトゥークもミュリエッタもあまりうちの婚約者をからかわないで下さいよ。ああもう真っ赤になっちゃって。

 ほらティゼリアおいで。」


ううう…。 恥ずかしい。


ちょっと迷って、私を呼んだ婚約者のベルヴィディアン・セルト・ヘルトリゼのところに抱きつきに行く。


だって絶対に顔真っ赤だもん。今だけは婚約者ではなく、顔を隠すのにちょうどいい肉壁である。

決して、一人だけ余裕綽綽な顔して少しは恥ずかしがりなさいよ、なんて思っているわけではない。


...恥ずかしい。


「というか殿下もいい加減にしてくださいよ。

 今回はティゼリアだけでなく私も怒っているのですよ?

 全く、婚約披露は卒業後なんてティゼリアに虫が付くから嫌だというのに押し通そうとするから変だと思えば……。

 あのねえ、どんな馬鹿王子だとしてもこんなに変な勘違いを勝手にする訳がない。だとしたら何故か?誰かに吹き込まれたとしか考えられない。

 そんなことをティゼリアに感知されずにできるのは殿下だけです。

 キングに従う様に王宮組のダイヤ達は命令されていますし。クイーンからね。」


ちなみにセルトが挙げたトランプのスートはは私の部下のことで、情報操作を行っている。

キングは殿下、クイーンは私をそれぞれ指していて誰がトップなのか分からないようにするためのコードネームだ。


…セルトがばらしてしまったけれど。


まあ、はじめから全部ネタばらしして、恐怖心を植え付けたあとに恐怖だけ残して()()()()()つもりではあったから関係ないか。


というかセルトのせいでスイッチが切れたというかなんと言うか…口調が自分でも統制できない。

心の中だけだからセーフだけど。


あっ、ダイヤは誰かと言うと…………


「そうでしょう?

 ダイヤ?」




……なかなか伏線を回収できなくてすみません。


気長にお待ち下さい。


また、世界観をお話しますと


ミドルネーム→貴族籍の所有


ファミリーネーム→参政権の所有

                をそれぞれ意味しています。

また、ミドルネームは伴侶とそれに近しい関係を持つ人(婚約者など)しか使えません。


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