プロローグ
処女作です。
読んで頂き、ありがとうございます。
何卒よろしくお願いいたします!
オレンジ色の夕焼けが陰りはじめ、そろそろ夜になるなろうかという時間。
オレはゲーセンで遊び終え、気分よく帰路をついていた。
ガヤガヤと騒がしい表通りは最近では珍しいほど発達した商店街。人通りが多く歩くだけでぶつかりそうな程に窮屈である。
オレはいつものところから薄暗い裏路地に入る。
夜になるとガラの悪いのが屯するような狭い場所なのだが、今の時間帯なら絡まれる心配もない。
数分歩いたころ、珍しく嫌がる少女と気持ち悪い笑い方をする男たちの声が聞こえてきた。
「そこをどきなさい。」
こんな場所に似つかわない少女の声が木霊する。
彼らは嘲笑う蚊のように散ることもなく少女に囲む。
「なに、ちょっと遊びに行こうって誘ってるだけじゃねーか。」
「俺らと付き合えば、将来安泰だよ?ッヒヒ。」
「…っ!やめて!」
手をつかまれた少女は抵抗するが、男はそれすら楽しむようだった。
今日のオレはうかれていたのかもしれない。
平穏が大事、普通が一番とか言っているくせに、オレ自身の軽率な行動だった。
お節介なんて、普段なら絶対にしない。人にやさしくしたところで自分に返ってくることはないのだから。
ただ困っている女の子があいつに見えたからだろうか。それとも自分の将来がほぼ確定したからだろうか。
いつもなら見向きもしない状況にだったのに、行動しなければならない気がした。
「その子、嫌がってるんだからやめたら?」
この行動に後悔するのは、そう遠くはなかった。