ゴルゴダはしぶしぶニートになりました。
迷いの森・・・その奥深くに朽ちた城が有るという人の身ではたどり着けず
そこに有るのはガリアの遺産だとも或いはどんな願いも叶える何かだとも・・・
ある晴れた昼下がり
森の奥深く断崖絶壁に聳え立つ砦の中
四方を塔で覆われそれをつなぐ様に聳え立つ回廊と城壁
門は跳ね上げられそれ以外は絶壁
まるで何かを閉じ込めるかのような
まさに牢獄のような建物のその中央
古びた土色の壁の中に時が止まったように
鮮やかな緑の庭園
石棺のようなものがぽつんと佇んでいた・・・
アカシアで出来た箱の中
その中央には15歳くらいの少女
眩いばかりの輝きを帯び
腰まで伸びたその髪は
その先端まで瑞々しく
生命力を感じることができ
白く美しい柔肌と
滑らかなボディーライン
所々未発達で残念な感じがするものの
一糸纏わぬその姿は神々しくもあった
名をゴルゴダというその少女は
数々の呪いと祝福を身に宿し
300年もの長き時間を悪夢にうなされていた
「この豚野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
今日も絶叫が響き渡り迷いの森はいつもの平和な日常であった・・・
パタパタと足音を響かせ最初に現れたのは
メアリーベアトリスティーロード
そうっと音も立てずにドアを開ける
走ってきた音が大きいのでいろいろ台無しなのだが・・・
「なんであんたがいるのよ!!」
「まさかお姉様を食べようとしてるんじゃないかしら?」
はて?と首をかしげた仕草で可愛らしく笑ってるのは
ミミックさん
ミミ・ミカ・バニー・スター
Mi|Mi Mic|a こんなところで区切らないでよは
本人の口癖だが実は重大な秘密が隠されていた
雌雄同体自由に成り代れるだけでなく
捕食したものの容姿に変化可能という
紛れもない魔物である
食べるとは肉体的な接触でなく物理!
いやもう必要無いのですが・・・
あの御方のマッドな研究により
ゴルゴダのハート(物理)を動かすための容器が
食い箱化したと言うだけの事なのだが
「あは ゴルさんのパパさんって魔王って事になってるんだよね?」
「いいえ冥王ゴルゴース様です!」
眉間に皺を寄せて強い口調でメアリーは否定した
「パンドラゴンだっけ?あんなトカゲ野郎に見た目と能力奪われたんだって」
ヴォンと空気が振動し黒い球体が空間を侵食しだした
「危ないなぁ冥界の炎とかアホか」
「あの事件に関しては未だ謎が多いのです」
「かの人はもう居ませんしお姉様の研究しだいとしか」
「精々貴方も役に立つ事です」
そこをドケと無言の圧力で半目で見下ろされ
背筋が言いようの無い寒気を感じミミックは3歩程距離を置く
「やれやれ邪魔者は退散しますこきげんよう」
さすが兎と言うべき疾風の如き逃走だった
「そう言えば豚野郎ってストレイとかって変態オークマスクの殿方かしら?」
「あんな者の夢を見るくらいなら是非わたくしの」
寝台に潜り込もうと頭を下げた瞬間に
見事に裏拳が炸裂しゴッと鈍い音がした
寝相も残念なゴルゴダであった
「うーん 残念じゃない・・・むにゃむにゃ」
今日も平和な日常であった・・・
ワンアイ
ノイズ
マーリン
等後の歴史に残る偉業を成し遂げる仲間と共に
今はお世話という名の軟禁状態で保護されていて
それはもう大事に大切に甘やかされて育てられています
いつか人々に必要とされる日まで
永遠に近い時間の中で
大切に
大切に