思考少女は床の上 “明日”
明日って不思議だよね。どんなに明日が来ようとも、無限に明日はやって来る。でもその明日もいつかは尽きちゃうんだね。私の明日が尽きても、誰かの明日はまだある。逆に誰かの明日が尽きようと、私の明日はまだある。理不尽なまでに明日は存在する。望もうが望まないが、明日は自由気ままに存在する。
私が望みを裏切った明日は既に、昨日になって、一昨日になって、過去になって。私が拒んだ明日は、今日になって、過去になって、のし掛かって。
甘い誘惑を孕んだ明日は、絶望を産み落として昨日へと去っていってしまう。いつもそうだよね。夜寝るときに、明日こそはと思うけれど、そんな明日は来ないよね。朝目覚めたときに、笑顔で明日が微笑んで今日になると、私は笑顔を失うよね。
誰かの希望の明日は、誰かの絶望の明日でもある。誰かが手にしたい明日は、誰かが拒んでいる明日でもある。
こんな無限地獄のような繰り返しには、なれてしまった。でもなれている自分が、また怖い。震えながらも明日のために体を休めて、目が覚めればまた震える。
明日のために寝なければ。明日のために。