9/11
017-018
【017】
果てなき事がどれほど残酷か、
それはまだ知らなかった頃の話。
いつか終わる夏休み、
人が消えたパーティー会場、
閉鎖された遊園地。
砂埃に埋もれていくメリー・ゴー・ラウンドに腰掛けて、
僕は知らなかった頃を反芻する。
繰り返すメビウスの輪の
縁に光る
その色、フェイト・パープル。
【018】
もぬけの殻になった君の部屋にたったひとつだけ、アルバムが取り残されていた。
それはどのページもいつかの
空、
ソラ、
そら。
ファインダーを覗いていたのは君だから、
そこに君はいなくて当然なのだけど。
電線、
夕暮れ、
細い月。
人類が滅亡した
澄み渡る空を覆う
その色、ニヒリスティック・インディゴ。