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015-016
【015】
強い日差しに照らされた木の葉は美しく、
それ故に薄っぺらなカラーセロファンのようだった。
綺麗過ぎるものは時に作り物よりも作り物だ。
コンクリート製のベンチのほうがよっぽど本物なのだろうと虫取り網は囁く。
気の早いカブトムシが張り付く
ざらついた幹に宿る
その色、サマー・グリーン。
【016】
ワタシの肌は「ツメタイ」のだという。
ツメタクて、カタイのだと。
マスターは「アタタカイ」らしい。
ヤワラカく、アタタカイ。
「でも君の心は温かいよ」と言われ、
体の装置が不可思議な現象を起こす。
コレはナンと言うのでしょう。
マスターが触れたこの胸の
その奥にある
その色、ギア・カッパー。