7/11
013-014
【013】
南国育ちの君からの手紙は、
きっと君は一度も見たことがないであろう雪の結晶の便箋が使われていた。
無邪気に雪国に思いを馳せる可愛らしい文字は粉雪のよう。
けれどそれは積もれば積もるほど僕らの距離を遠ざけるのだ。
真冬の夜に凍る指でしたためる
簡素な封筒の
その色、スノウ・グレー。
【014】
気が付くと日付を跨いでいた。
いい加減習慣になってしまったサイクルを今日もまた繰り返す。
左にはレッドブル、
ディスプレイには昨日の仕事、
こうこうと眼鏡を照らす。
無意識になぞる指先を冷やす
最新型デザインの
ありふれた
その色、ミッドナイト・ホワイト。