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011-012

【011】



ブランコから笑い声が消える。


影が長く長く背を伸ばす頃、

「帰ろう」と言ったのはどちらからだったか。


もう繋ぐ指もない街角に、

戯れに過去が手招きする。



ジャングルジムに置き忘れた


人待ち顔の小さなポシェットの



その色、センチメンタル・オレンジ。








【012】



寒い夜には、いつもよりお砂糖をいれてね。


とっても熱いから、ふーふーして飲んでね。


お星様が飛び込んだのは、気づかないふり。


湯気がレースみたいで、綺麗でしょ?



ママが隠したオルゴールの隣の


お気に入りのマグカップに入れた



その色、ミルク・ベージュ。



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