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007-008

【007】



見栄を張った給料三ヶ月分の輪っかは呆気無く帰って来た。


僕の指より小さめのそれは、手に入れた時と変わらぬ光。


握りしめたまま僕は思う



「神様、ちょっと酷すぎやしませんか」




死後硬直の肢体にキスを落とす


その肌の



その色、コールド・シルバー。








【008】



使い込んだコンパクトの角は既に剥げていた。


チャチな塗装のその下から、機能性が顔を出す。


女だってきっと同じ。


使えなければ意味がない。


だけど飾らずにはいられない。



指に馴染んだ装飾の


粉のような誇りを守る



その色、プラスチック・ゴールド。



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