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物の重さ

作者: 春野一人

「ビッグバンの時、重力というものはなかったというね。君は何故物質に重さがあるのかを知っているかね」

 横浜のニューグランドホテルのバーカウンターで横田は、となりの矢野に、つぶやいた。手に持つカクテルグラスの中で黄金色のマテイーニがきらめいている。

「僕は、あまり宇宙とか物理とかに詳しくないので解りません」

「そうか。最近の宇宙物理学は面白いよ。重力をつくりだすというヒッグス粒子と言うのがあるそうだ。宇宙の真空空間には、これが海の水のように満々としているそうだ」

「星と星との間には、無だけがあるのではないのですか」

「どうもそうではないらしいのだな。」

「宇宙空間は一見すると無であるが、量子的に、つまり徵ミクロ的にみると、+ - と蠢いて、いるらしいのだ。これがヒッグス粒子のいる場所だ」

「まあてっとり速い話、船が進むときの水の抵抗が質量であるというのだな。今ここに二つの惑星があるとすると、ヒッグス粒子は引力の反対、斥力だから、惑星間のヒッグス粒子にくらべて、外側のヒッグス粒子の斥力が強いから星どうしは接近することになる。押されているにすぎないのに、見た目は引き合う力に見える。これが引力さ。その一方でひどく離れた物質には斥力として働く。川の中に浮かぶ無数の木葉を見るがいい。あるいは離れ、あるいは集まるのはこうした力が働いているのではないのかな」

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