第13話
今回は会話が多いです。そしてシリアスなシーンがあります。それでもよければ読んでください。
~諒華の部屋~
諒「ふわぁ~、朝かぁ…。まだ眠たいな…。」
諒華は起きると携帯を確認する。画面にはメール一件と出ていた。
諒「薫からかぁ何々、《昨日言った通り今日は1日休むから、先生に伝えといて。追伸一緒に行けなくて寂しいだろう。明日は一緒に仕方がなく行ってあげるからね!》寂しいの薫の方なんじゃないか?まぁとりあえず準備して学校行くかな。」
*********** 学校に着き、1日の授業はあっという間に終わり気づけばもうSHRになっていた。
関「それじゃ~、そろそろ号令かけるけどその前に柊さんあなたはこの後校長室に行ってね。用件はこれだけ。じゃあ日直号令!」
「起立、礼。『ありがとうございました。』」
SHRが終わると千春が諒華の所へやってきた。
ち「ねぇねぇ諒華何かやっちゃったの?」
諒「さぁ…?」
ち「後で何があったかメールで教えてね!」
諒「了解。」
千春はその言葉を聞くとスグに帰っていった。
諒「それじゃ向かいますかな。」
*********** ~校長室~
諒華は校長室に着きドアをノックすると「どうぞ」と女性の声が聞こえたので「失礼します」と言い、中に入る。部屋の中には各部活のトロフィーやカップなどが飾ってあり、歴代の校長先生の写真などが飾ってあった。そして椅子に若い女性が座っていた。
?「いきなり呼んですまないね。」
諒華は視線を話している人の方へ戻す。
諒「いえ、大丈夫ですが…。」
千「そう言えば自己紹介してなかったね、私は千歳沙紀。この学校の校長よ。入学式も急遽教頭先生にやってもらったから分からないよね。」
諒「(この人が校長!?明らかに若いよな…。)」
千「自己紹介も終わったし本題に入ろうかな。」 そう言うと千歳は諒華の頭、顔、胸、腰、尻、太もも、足をじっくりと見た。
諒「あ、あの…。」
千「いやぁ~凄いね!本当に女の子の体になってるんだね、篠崎諒君!」
諒「え、今なんて?」
諒華は驚いていた。諒華の正体は自分が知る限り薫しかいなかった。なのに、会って間もない人に自分の正体がバレるとは 思ってもいなかった。
千「だから、君は篠崎諒君でしょ?」
諒「…。」
千「何ならこれも言おうか。君は生前、家に強盗が入り姉を庇って代わりに刺されたけど、神のミスで軽傷が死に繋がるものになり亡くなった。他にも言うと、君は弓道部で部長をしていたんだよね。」
諒華は何も言うことが出来なかった。何故なら今彼女が答えた事は全て正しく更に薫に言ってないことまで答える事が出来たから。
諒「千歳沙紀校長、あなたはいったい…。」
千「まずは、私が何者かを言った方がいいわね。簡単に言うと私は神様だった。『だった?』また後で話すわ、神にもランクがあり、薫が行っているのは三途の川の門番、主に下級が行うわ。そして上級になると土地の管理を行う、土地神、人間の生死などを扱う命神、時を扱う時神などいたわ。その中で私は、犯罪等を起こしその後死んで黄泉の世界に来た者を裁く罪神をしていたわ、まぁ俗に言う閻魔ね。」
諒「何か凄い話だな…。」
千「次に何故君の正体が分かったかについてだけどあなたの体は下級と言えども魔法を使って出来てるよね、魔法を使われてる、使ってるものには自然とオーラが出ているの。そして魔法を使うものはそのオーラが見えることが出来るから、私達神には一瞬で分かって詳しく調べたら君は特殊な事情で魔法を使われている状態って気づいた訳。」
話を聞いてる中で諒華は1つ聞きたいことがあった。
諒「あの、1つ質問いいですか?」
諒「あなたは私の正体を知っていますよね。以前薫に言われたのですが、以前の私を知るものに見つかったら再び死ぬと。そしてこうも言ってました。神のミスで諒は死んだと。そしてあなたは上級の神様です。あなたは私に用事があると言いましたが、あなたの本来の目的は私を殺し、神のミスをなかったことにすること。違いますか?」
諒華の話を黙って聞いていた千歳は話が終わると急に笑い始めた。
千「ハハハッ!まさか私の目的がバレるとはね!そのとおりだよ私が君を呼んだのは君を殺し再び黄泉の世界に戻す為だよ!そして無断で蘇らせた薫の処刑もね!」
千歳はどこからか出した日本刀を諒華の首にあてる寸前で止める。
千「どうしたの~?何か命乞いとかしないのかな!」
すると諒華は顔をフッとする。
諒「俺はもう一度死んだ身なんでな、悔いなんてない。ただ言うなら薫は見逃してくれ。」
その言葉を聞き千歳はキョトンとする。
千「自分の命より相手の命が大事なの?」
諒「そうだ。俺が今いられたのも薫のおかげだ、 自分だけが生きて薫が死ぬのは自分が死ぬより辛いから。だから薫には手を出すな、手を出したら黄泉の世界でお前の首を噛みちぎってやる。」
千「そう。だったらお望み通り殺してあげる!」
諒華は目を閉じた。斬られるのを覚悟をしていた。だが、いつまでたっても斬られる事はなかった。目を開けると刀を収めた千歳がいた。
千「合格!」
諒「え…?」
千「ごめんね、騙すような事をして。さっきのはあなたを庇うに値するかを確認する為のテストだったの。君は自分より相手を大切に思える優しい人間って改めて分かったからね。」
諒華は何も言えなかった。いきなりの変化にまだついていけてなかった。
千「安心して、私はあなたを守るし、薫も守るから。」
諒「それは信じてもいいのか?」
千「すぐには信じれないかもしれないけど、信じてもいいわ。信頼の証としてこれをあげるわ。」
そう言うと1本の日本刀を出した、だが明らかに違うのは全体的に黒く染められていた。
千「これ、私の愛刀。名は虎鉄。これをあげるから少しでも信頼してほしいかな。」
諒「いやいや、さすがにこんなのもらえないって!」
千「いいの!あなたにはいずれあげるつもりだったし。と言うより受け取りなさい!」
諒華は半強制的に刀を手に入れた。
千「その刀はブレスレットに入れたから出したい時にいつでも出せるわよ。」
諒「なぁ、1ついいか?」
千「何?」
諒「何故俺を助けてくれるんだ?千歳先生、『沙紀でいいわ。私の前だけだったら先生とかいらないから。』沙紀は、上級の神だろ、俺を庇うのはマズイのでは…?」
沙「大丈夫私は元、神だから。」
諒「何かあったのか?」
すると沙紀の顔が少し悲しげな顔をした。
沙「まぁいつか話すわ…。」
諒「無理に話さなくてもいいぞ。」
沙「ありがとう。私は元とは言え上級の神で魔法も使える、それも薫より強力な魔法をね。何ならネックレスなしで女の体にしようか?」諒華は悩んだ。こうすれば完全にバレる事なく生まれ変わった姿で新たな生活がする事が出来る。だが、その時何故か薫の顔が浮かんだ。
諒「いや、いい。やめておくよ。」
沙「そう、まぁ気が変わったらいつでも言って。そして代わりにだけど学校の敷地内では私以外の神に君の正体がバレる事がないように結界はっておくから。」
諒「何から何まですまないな。」
沙「気にしないでいいわ。そのか・わ・り、頼み事あるんだけどいい?」
顔がニヤニヤした顔に変わった為、諒華は何故か汗が出てきた。
諒「な、何かな~?」
沙「それはねぇ~、あなたには先生になってもらうわ!」
諒「はいっ!?」
沙「と言っても正規ではないんだけどね。」
諒「どう言うことだ?」
沙「この学校には男の先生がほとんどいないの。いても40~50代の先生のばっかりね。毎年何人か先生を募集するんだけどなかなかこの学校に来ない上に来ても女性ばっかりでね、7割近くの生徒から不満が出てるの。だから君が男に戻って先生になって生徒に指導したら喜ぶと思うの!」
諒華はそれを聞き、嫌な顔をした。
沙「正直な話、この話が君を校長室に呼んだ理由だよ。」
諒「ぶっちゃけすぎだよ、この人!それに!」
諒華はネックレスとブレスレットを外し、諒に戻った。
諒「俺、マジでモテなかったですよ!こんな顔だし、女子からも告られる所か話しかけられるなんてほとんどなかったから!」
沙「(それは、女の子がオクテなだけで、諒としての顔を初めて見たけどなかなかにかっこいいじゃない。)」
諒「でも、沙紀が俺の手助けをしてくれる上に刀も貰っているから、引き受けるよ。ただし、絶対に皆にバレないようにしてくれ。」
沙「分かってるわ、そこは任せて。あとあなたには補習や赤点の追試対象者の勉強を教えてあげてほしいの。手伝ってほしい時は連絡入れるからあなたのメアドと電話番号を教えて。」
諒「分かった。」
こうして、2人はメアドと電話番号を交換した。
沙「これで、私の用件は終わりだからもう戻ってもいいわ。」
諒「分かった、ありがとな沙紀!」
沙「(何あの笑顔!恥ずかしくなるくらいいい笑顔じゃない!)どういたしまして。」
諒は再びネックレスとブレスレットをつけた。
諒「それじゃ、また。」 バタンッ!
沙「顔はカッコイイ上に鈍感、諒君が授業やってもちゃんと授業になるかなぁ…、皆テンション上がりそうだし、今思えばほんの少し間違えたかも…。」
その後、部屋に戻った諒華はブレスレットから刀を出した。
諒「これ、貰ったけどどうしよう…。」
するといきなり空間から薫が現れた。
薫「ただいま!」
諒「いきなり出てくるな!」
薫「気にしない、気にしない!ってその刀、虎鉄じゃない!何で諒が持ってるの!?」
諒「あぁ、それは…。」諒は今日あった事を薫に話した。
薫「まさか、そんな事があったなんて…。そして沙紀姉さんが愛刀の内の1本をあげるなんて。」
諒「沙紀姉さん!?」
薫「え、聞いてないの?私は沙紀姉さんの妹なのよ。」
諒「聞いてねぇ!そう言えば、薫の事を神崎じゃなく薫って言ってた!でも名字が違うじゃん。どうしてだ?」
薫「まず、私と姉さんだけど実はあなたと同じで一回死んでるのよ。」
その事実に諒華は驚いた。
薫「今からちょっと長くなるけど私の過去の話きいてほしいけどいい?」諒「構わない、辛くないのなら。」
薫「辛くないから大丈夫。死んだ理由としては私は当時病気で治療すれば治る病気だったんだけど私達の両親は幼い時に早く亡くなって、凄く貧乏だったから姉さんが必死に働いていたの。だけど治療できるだけのお金が稼げなくて亡くなったの。その後に無理していたせいで姉も私と同じ病気になって亡くなったの。」
諒「…。」
薫「その後死んだ魂は黄泉の世界に向かったわ、魂は未練があればその世界で未練を無くした時に改めて生まれ変わる事が出来るの、その時には全ての記憶を捨ててね。だけど私には未練がなかったの。姉さんの姿をずっと見てきたから。でも姉さんには未練があった。私を助けれなかったことに対して。未練があったらいつかは生まれ変わり離れ離れになってしまう、それは嫌だった。それを知った命神が私達に神にならないかって言ってきたの。それがきっかけ。その後は適正試験を受けて私は下級、姉さんは上級の神になったわけ。そして上級神には何故か別の名字にしないといけなかったの、だから姉さんとは違う名字なんだよ。でも神になってよかった。神になれば姉さんとの記憶を失わないですむ上に一緒にいられるからよかったの。」
諒「…。」
薫は時間を確認する。
薫「うわ!もうこんな時間!そろそろ帰るね!あと虎鉄大事にしなさいよ!何せ上級の神にならないと貰えないんだからね!」
ビューン!
薫はワープを使い部屋へ戻って行った。
諒「薫、辛かったのに無理に話しやがって、馬鹿野郎。途中泣いていたじゃねぇか…。いや、止めれなかった俺の方が大馬鹿野郎か…。」
諒華は泣いた。自分だけが苦労していると思っていたが、薫達の方が苦労していた事に気づけなかった事に。
今回は薫と沙紀の過去について書いてみました。だけど文才がないため、ちゃんと伝わったかが不安です。
沙紀のプロフィールはあと何人か新キャラが出たらするつもりです。
感想・アドバイスお待ちしてます。批判などはやめてください。