二百字掌編シリーズ 『御手洗碧 すでに死人ですが何か？』

１０

「久しぶりだなあ、この感触！」

　その昔、ダイエットのためにジム通いをしてたのだ。

「では、早速漕いでみてくださいな」

「こんなもんかい？」

　メーターは時速二十キロだ。

「いいですね！　で、一旦乗ったら最後、時速十五キロを切りますと爆発しますので」

　ふうん、そんな仕掛けか……

「って、ぬおおお！」

「あ、でも三十分間だけですから」

「あ、阿呆ちゃうか？」

「おや？」

　な、何をニヤリと

「お嬢さんって、一割要らないんですか？」