二百字掌編シリーズ 『御手洗碧 すでに死人ですが何か？』

１０

　公園のベンチにいる私たち

「ゴン太も交通事故かあ」

「手術室に入ったまでは覚えてるんだけど。気がついたら、すでにシャトルの中だった」

「そっかあ」

　レッツ、アピール！

「でもよかったじゃん！　こんな可愛い彼女が待っててくれて！」

　あ、笑ってる。

　よーし！　この上ないスタートが切れたぞ！

　ん？　何やら胸元あたりで？

「おい悪魔！　何やってんだ？」

「可愛い彼女ってのを探してるんだが……こいつが見当たらないんだ」

「ち、散れい！」