二百字掌編シリーズ 『御手洗碧 すでに死人ですが何か？』

３２

　この時、悪魔が先の方に目をやり

「おいミドリ？　あいつベンチに座って、鳩に餌あげてるぞ」

　ん？　確かに、こぼれんばかりの笑顔で……こらまた、絵になる光景じゃないか！

「あの子ってさ、優しい事は優しいんだなあ」

　この私のつぶやきに、胸元からも

「悪魔のオレ様が言うのもなんだが。あいつって、いかにも天使らしくね？」

　言えてるし。

　うーん……やっぱり、ここは初志貫徹か。

「しゃあない。マリモと付き合っていこう！」

「おお！」