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★第二章〜紗羅の気持ち〜紗羅side
どうしよう…
私普段こんな清楚なしゃべりかたしないのに、つい緊張しちゃった…
「楓紗羅です。覚えてますか?」
なんて敬語使っちゃったし…
「ごめん…。思い出せない」
当たり前だよ…
だって私は四歳の誕生日にあんたと離れたんだもん…
でも、あの約束だけは覚えていてほしかった…
「いいですよ。私も正直思い出せないもので…」
こんな嘘ついてまで、私はいったい何を守りたいわけ?
もう忘れるんだ…
でも、そう簡単には忘れられないよ…
今まで一番愛した人だもん…
って、こんな弱音はいてたらいつまでも忘れられるかよ!
さっさとあんなやつを忘れるためにきた旅行じゃん…
もう…
私は海気だけを愛する人なんだから…