第十一章紗羅と竜の過去(1)〜海気side〜
遅くなりました!!
すみません///
「紗羅!!」
「なぁに?海気。まさか、修旅のお土産代を忘れ…」
「忘れてない!!」
「だーよねー♪ちょー楽しみぃ♪」
「あ…あ、のさ。竜とオーストラリアでどんな関係だったんだ…?」
俺がそう聞いた瞬間に紗羅から笑顔が消えた
「誰から聞いたの?」
声のトーンが低くなり、俺に目を逸らせないかのように俺の目を見た
「竜が、言ってた…」
「どこまで聞いた?」
「……ッ」
「何をどこまで聞いたの?」
「お前ら、付き合ってたのか…?」
竜はオーストラリアにいる頃から紗羅が好きだと言っていた
けど竜はずっと片想いをしていたとは限らない
もしかしたらオーストラリアにいる頃だけでも付き合ってたのかもしれない
そう思って俺は聞いた
「竜に…、付き合ってたって言われた?」
「いや、言われてない。けど竜は紗羅のことオーストラリアにいる時から好きだ。って言ってた。だからもしかしたら付き合ってたんじゃねぇかと思って……。」
「付き合ってたよ。」
……付き合ってたよ。か
おー、俺意外に冷静じゃねぇか
じゃあ……別れたんだよな?
遠距離が辛いから別れたとか?
でも、2人とも日本にいるじゃん
でも竜はまだ紗羅のことを好きって言ってたよな…
じゃあ
紗羅が別れを切り出したのか?
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん
わからん!!!!!!!!
俺恋とかしたことねぇし!!!(いや、あるけども!!)
本気で付き合ったりはしてねぇな
「でももう竜は私のこと好きじゃないよ。」
「……ぇ…」
「それは…」
「だって竜、私の恋を応援してくれるって言ったもん。」
それは違ぇぞ、って言おうとしたら言葉を遮られた
……。
つぅかよ!
今、紗羅のやつ、“私の恋を応援してくれるって言ったもん。”って言ったよな!?
紗羅、好きなやついるのかよ!!!!!!
なんだよ!
早くも失恋かよ!!!
それが俺の知らないやつでも、竜……。だったとしても、どっちも嫌だな!
「私ね、やっぱりその人のこと忘れられないんだぁ…」
「忘れられないって……?昔から好きなのかよ?」
「……さーぁね!!!!」
「はぁ??なんだよそれ!」
「海気なんかに教えてやんなーい♪」
「………。」
紗羅がどこか遠くを見つめながら言ったその笑顔はどこか寂しげで綺麗だった