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サマードリンク&サマードリンク  作者: ご飯はラーメン
3/3

サマードリンク&サマードリンク 3, 親友って何ですか malia

マリアです


「うわっ!!ハーフ人だぁ!!」

「逃げろォォ!菌が感染る!!」

 頭の中で、忌々しい奴らの声が聞こえてくる。

ハーフだからって何よ。何が菌?お母様とお父様を馬鹿にしないで。

お父様がお母様と結婚したのも、訳があるのよ。人の気も知らずに言うんじゃねぇ。

 私は汚い人間だってこと、誰が認めたのよ。

自分で綺麗だとは思ってないけど、汚い人間って言われるのが、嫌いなの!

 私は、私は_____。

「マリア、食べないの?」

「____!!」

 はぁ・・・またか。白昼夢みたいなもの。

恐ろしいわ、この夢。

「優華、ありがとう。食べるわ」

「また見たのー?白昼夢」

「ん〜そうね、随分と短かったわ」

「アハ、そうなの」

「えぇ」

 現在時刻12時半。

生徒達で机と机を合わせて昼食を食べる時間。

「焼きそばパン美味〜。お母の弁当より美味い」

「優華・・・」

 七森優華。私の親友。

私がハーフだってことを気に入ってくれた。

『え?ハーフなの?お父さん?お母さん?どっちが外国人?日本人と何人のハーフ?』

 優華は私の事が大好きになったみたいだった。

女同士の恋愛。

 優華ただ一人が、私を『菌』と呼ばず『マリア』と呼んでくれた。

私の白昼夢のことだって、心配してくれたのは家族と優華だけだった。

「おい、ばい菌。その弁当頂戴」

「えっ?」

 声を掛けたのは加藤百恵。と、その集団。集団の中にはフミコや理恵だっている。

でも悪そうな顔をしてるのは百恵と、周りの男子。

 百恵には最強の味方、フミコ&男子がいる。

フミコは空手、男子は握力で潰す。

 だから私たちは一回もこの軍団に勝ったことなんてなかった。

「何それ?フランス料理?美味しそうねぇ〜。あと、その・・・高級そうなりんご。うん、デザートにはお腹いっぱいね」

「百恵様、どれ奪う?ねえどれどれ?」

 周りの男子が興奮して私の弁当をガン見している。

はぁ、毎日、何回やったら飽きるのかしら。

「全部よ、お前達。____ん?その不味そうな唐揚げは除いて。欲しくない」

「へぇ!了解です百恵様!!」

 男子達が私に一斉に飛びかかる。

弁当に入っていた唐揚げを机の上に放り投げ、弁当箱丸ごと持っていった。

「ちょっと!辞めて!」

「いいねぇ、悲痛な叫び声。フッフッフ・・・」

「ぐへへへへへ・・・」

「ねぇ!返して!私の弁当なのよ?!」

「どれ一口・・・」

 百恵は、リンゴをシャキシャキと音を立てて食べ始める。

く・・・!!憎い!

「んん、美味しいわ。普通の農家では取れないわね」

「ええ〜?!そんなに美味しいの?!百恵様!」

「お前らはその唐揚げを食いな」

「え〜〜!」

 唐揚げ!

なんで・・・!!

 あいつら、食べ物を粗末にして・・・!

「この唐揚げは私のウチの近くにある、唐揚げ専門店さんの唐揚げよ!!」

「・・・アンタばい菌のクセして生意気ね」

「だよね〜百恵様」

「敬語使ってよね?私の前では。この百恵様が言うんなら聞くでしょ?」

 百恵・・・。

言うこと聞かないと、クラス中の笑い者になる・・・。

 恥ずかしい。けどしなければ。

「加藤百恵!!マリアに何する気?!」

「優華!」

「ほぉ・・・七森優華。庇うか?この菌を・・・」

「馬鹿にしないでよ!私の友達よ!まだ『親友』には行きついてないけど・・・一応、友達よ!!アンタがマリアを馬鹿にするのと、私がマリアを馬鹿にするのは違うから!」

 え・・・・・?

「フン、もういいよ。今日はこれくらいでまけてやるよ」

 百恵達は男子と共に、去って行った。

「マリア!大丈夫!お弁当・・・」

「_____」

「お弁当、置いてったよ。ハイこれ。ごめんね、私何も出来なくて・・・」

「___もう、いいよ、優華」

「_______え?」

 やっぱり私の親友____。

「そうやって作り笑いしてるでしょ、いつも。私を百恵から守るのも、何か理由があるんでしょ。本当は___優華だって、百恵の味方でしょう」

「_______マリア、何言って____」

「前、見たんだ。優華と百恵が話してるの。『取引』___してるでしょう?私、いつも弁当とかこうされてるけど、『いじめ』に及ぶ被害は受けてない。これって、優華のおかげなんでしょ?私、罠にかかってるんだよね」

 優華が、私と友達と言うふりをして、私を安心させる。そして油断したところで、私はボコボコにされる___。

「今私と優華が縁を切ったら、私___、いじめられるよね。だけどさぁ、優華。ホントは騙してるの、百恵でしょ?」

「_____!」

「私を罠にかけるつもりなんて、最初からないんだよね・・・。百恵を騙して、私を守ってくれてるんだよね___」

 自然と、涙が溢れて来た。

そんな私の姿を見て、優華は笑いかけてくれた。

「マリアさ、酷い目にあったよね___。今まで、『菌』扱いされて、本当に可哀想だった。でもね___、私がマリアについて回る様になった時、マリア凄く嬉しそうだったよね」

「うん____」

「だからね、私。ずっとマリアの側にいるからね____」

 親友は、この世で一番心の支えになるわ、永遠に。























 裏切り〜〜!!www

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