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第四十話【力試しのために】

王なる山に挑むために、何かを用意しようとも思ったが特に何も思い浮かばなかった。


虹の根元を守る者がいたとしてもだ、すぐに戦闘にするわけでもないし、話し合いで譲ってもらうことも考えられる。


膨大な魔力の持ち主ということならば、王国の精鋭の可能性もあるだろう。


何故そこに人間がいるのかはわからないが、ひょっとしたら何かある場所かもしれないし、言いたくはないが変人かもしれない。


虹の根元なるものが魔力の源泉ってこともあり得るし、ドラに縁のある地ということもある。


考えられることはたくさんあるが、自分の危険性を考えなければ色々と捗るということになる。


まずは王なる山に向かうべきだろう。いざとなればすぐに撤退をすると心に決めておけば問題はない。


試してみたいこともあるしな。



――キングマウンテンなる山は、荒野を超え、人里離れた場所にある。


街からは霞んで見え、たどり着くにはそれなりの時間を要する。


完全攻略されていない理由の一つに、移動手段が限られていることが関わっている。


例えばだ、山で傷ついても大体のダンジョンでは、脱出することが出来れば何かしらの回復手段が備わっている。


しかし、荒野を挟んで山がある故に回復されるまでの時間がかかりすぎる。


息のある状態であるならば、仮に致死の傷を受けてもなんとかなることもある。


確実な即死でなければ生きていられることもある。


だが、ボロボロの状態で敵に襲われたりしたら……もしくは肉片も残らないような攻撃を受け続けたら。


キングマウンテン近くには、回復手段を置く術がない。


ならば駆除すればいいという話にもなるのだが、そうはならない。


王国の方針としては、こちらに害をなすものが居れば撃退するし、完全に可能性の芽を絶つ。


それほどまでに攻撃をされたときの対処は重い。


容赦のない王国に見えるが基本的には専守防衛。


攻撃されない限りは領土を増やそうという考えは基本的に持ち合わせていなさそうに見える。


王なる山の魔物たちは決して外に飛び出そうとはしない。


ただただ、自分たちの縄張りを守り続けているだけだ。


つまりは、王国と同じような山。だからこそ、王なる山と呼ばれている。


不可侵の山は、独自の生態系を作り様々な魔物が生まれているという噂もある。


噂で止まっているのは、誰も立ち寄らないからだ。


保護も庇護もない。そして脅威があるわけでもない。そんな場所に誰が行くという話だ。



――でも、未知がそこにあるなら行ってみたい。


今度こそ自分を試す。

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