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第二十七話【進むべき場所】

さて、今後の俺の方針はどうすればいいだろうか。


撃退は出来たが、ルナのような暗殺者に狙われる可能性があるということを自覚できただけでも良かった。


俺はもう狙われる立場にもあるって言うことを強く戒めないといけない。


俺のような一匹狼――性格ではなくギルドの後ろ盾がない者――はスカウトに乗るか、孤高を貫くほかはない。


冒険者をやめるって言うのも一つの手だけど、それをする気は今はない。


自ずと進むべき道が見えてくる。


まず、大前提として俺が殺されなければ問題がないという理論から、俺の修行、もしくは昨日みたいにドラの魔力スポットを探すのが賢明か。


だから、ドラの思い出の地を巡り廻る。だけど、当然ながら実力を持ったボスモンスターのような敵も居る。


真牛人ネオミノタウロスクラスが現れると正直危ないかもしれない。


今の実力を試したい気持ちもあるのだけれど、死のリスクと等価値にはできない。


そこまでの度胸、俺にはまだない。というか誰だって死にたくはないだろう。


そうなれば、ドラの力を引き出すのが先決か……?


基本的には全てはドラ絡みになるのも無理はない。


自分自身で強くなりたいのは山々だが、現状、どうやってもドラの力を引き出した方が強いし早い。


そもそもの点として、俺はドラと共に駆け上がっていくことを決めている。


ドラが居なければ、こんな大層な夢を抱いちゃいない。


恐らくこいつが存在すらしていなければ、冒険者にしがみつかないで、田舎で暮らしていたかもしれない。


そうだ、ある程度のことは何でもできるのだから、こんな命を懸けた職業に就く必要もなかった。


セインの夢に魅せられて、あいつを支えたくて俺は頑張っていたんだ。


「セイン……」


あいつは今どうしているだろうか。あいつの人柄はいいから、外道には落ちていないだろう。


そして、俺とあいつの運命はこの先、交わるだろうか。


『いずれ出会う。お前が冒険者を続けている限り、彼と運命は交わるだろう』


本当か嘘かはわからない。でも、ドラの言う事は信じようと思う。


「それなら嬉しいな。ドラ、もっといろいろな場所に行って景色を見よう」


終わりのない世界を。ドラが見れなかった光景を、見に行こう。


その結果、ドラの力を引き出せればいいし、俺自身もその間に強くなっていけばいい。


『――楽しみにしておこう』


あぁ、楽しみにしておいてくれ。まずは、俺の……俺の故郷に行こうか。

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