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セツナトライフ  作者: 忘上 新一
8/10

7話

つづき

 「あーめんどくせぇ、やっぱり無しだ!気になるんなら本人に聞きな。」



 そう言いながら創多は立ち上がり部屋から出ました。(あいつに話すきっかけ作っとかねぇと話さねぇだろうな)と廻理の事を考えて話すのを辞めました。ただ栞は話してくれなかったことが相当気に障ったらしくかなり不機嫌そうな顔をしました。



「まぁ仕方ないわよね、聞くなら廻理ちゃん本人に聞かないとね。」



 栞と廻理を良く思ってないことをなんとなく察していた桜は、創多と同じく本人に聞くように言いました。それを聞いて嫌そうな顔をした栞を見て確信を得た桜は、どうしたものかと悩んでいると「もういいや、寝る」と言い残し自分の部屋に帰っていきました。そこでタイミングを狙ってたかのように創多が戻ってきました。



「栞ちゃん相当嫌ってるのね⋯廻理ちゃんはどう思ってるのかしら?」


「多分あいつも嫌ってるだろうな⋯栞もう反抗期入ったのか?反抗期だよな?」



 別の心配をしだした創多はしれっと日向の方を見ましたが日向は私?と頭を少し傾けてる様子を見た創多は日向も反抗期入ったのではないかと一瞬疑った自分を責めました。それを見た桜は苦笑いをし、日向は一点の曇りもない笑顔を創多に向ける。すると創多は嬉しさのあまりデレつき、日向の頭を撫でながら「かわいいやつめ」と心の底からかわいがりました。

 それをリビング入り口で見ていた廻理は、頑固そうな顔がニヤついてるのを見て思わずキモッと心の中で吐き出しました。まるで厳つい長老が孫にデレてる姿を見ているようだ、と思いつつ、しかし同時に娘に出デレてる姿はまさしく父親だなぁ⋯と創多のことを改めて認識し、その光景を目に焼き付けました。

 ふと視線を感じ、目を向けてみると桜が苦笑いしつつこちらを見ていました。その顔は「ごめんなさいね」と言ってるように見えて、これが今の創多なんだな⋯と理解しつつ、昔とは違うと心のどっかで寂しく思いました。

 しばらくして廻理の存在に気が付いた創多は少しの間固まり、何事も無かったかのような顔をしつつ廻理に向けて、いつからいたんだよ、と言いたげな視線を向けました。



「⋯寝れなかったから戻ってきたら創多が日向さんの頭を撫でてて⋯」



 これ以上言うなと言わんばかりのキツイ視線を創多は廻理に向けて放ち、廻理は一瞬怯むも面白いものが見れたと内心喜んでいました。それに感づいた創多は誤魔化すかのように「それより研究所!片付けろや」と廻理に向けて言い放ち、創多は逃げるかのように研究所に行きました。



「ごめんね、創多さん意外にああゆうところあるの、かわいいよねぇ⋯」


「見た目とは裏腹に面白いですね、まぁ、父親らしいところ見えて自分は嬉しいですけど。」



 と創多の事を再評価しつつ、30年前と随分変わった親友の変化を楽しんでいました。ふと研究所を片付けるということを思い出し「研究所の片づけに向かいますね」と言い残し研究所に向かいました。

 家の隣、30年前創多と色々作ってた場所⋯思い出に浸りながら向かうと一足先に創多が散らばった道具を整理していました。到着した事に気が付いた創多は嬉しそうにこちらを見ながら言いました。



「おう、来やがったか、片付けるぞ。それと⋯」


「あいよ、改めて見ると相変わらず変わらないな⋯それと?」


「日向も一緒なんて珍しいじゃねーか」


「え」

寝ます、おやすみなさい。


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