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ゴブリン、やめる

私が手をかざすと、そこには地面が盛り上がり、小さな洞穴ができた。


その中に人間の死体を放り込むと、その人間の死体が消えた。洞窟が白い光を放ち、目が赤く光り、長い髪を振り回しながら荒ぶるゴブリンアマゾネス二体が現れる。


そいつらは予想通り暴れ始める。もう一度手を向けると魔法陣が現れ、頭に逆様のフォークな様なものが一瞬光り、大人しくなり、洞窟へ帰っていく。


「リーダーこれはなんなんだ?」


「いい質問だ......。これは、インスタントダンジョンと言う名のスキルでな、ダンジョンを作り、なおかつダンジョンのモンスターを従わせ、外に出すことも可能になるスキルだ。かなり細かい制約が沢山あるが。」


「まぁ、簡単にまとめると死体と等価交換で同種族なおかつ格下なら生み出すことができる。つまりはモンスターを狩って服従するならばゴブリンに服従しないならダンジョンモンスターにすればこの世は」


「ゴブリンの時代にすることができる。」


「と言っても、生物の多様性を奪ったり人間により生み出された歴史を否定するつもりはない。差別感情等を圧倒的な力で屈服させ同盟を結ぶ、それが私の望む世界だ。」


一通り話して満足した私は、最後に。


「我らが世界を創り直すのだ!!自由に街を歩ける世界を作るのだ、隠れすごす時代は終わりだ!!」


皆拳を突き上げ、歓声が起こる。


「まぁ、大きな目標はそこだが、まずは拠点の再構築が必要だな、ゴブリンインテリ、ゴブリン達の教育、指揮を頼む。戦闘可能なゴブリン達は森で狩りを行え、襲われた場合以外は知能を持つモンスター、人間への手出しは禁ずる、可能なら話し合いで連れてこい。今は施設が整ってないから当分は無視で行くぞ。ゴブリンジャイアントは手先が器用と言っていたな。家を作る手伝いをしてもらう。まずは自分で使う道具を作れ。」


一通り指示を行ったところで、一息つく、いやーリーダーっぽく振る舞うのは疲れるね。思いついた様に、ゆっくりと自分の姿を確認する。


種族を確認するために移動する。黒い体表に、青い血管が光る様に浮き出て近くの泉で顔を確認すると、牙はむき出しで、顔の彫りは彫像かの如く深い。これは姫様に当分会えないな。


筋肉は人間やゴブリンで至れるレベルを超えている。これはゴブリンと言うよりはゴブリンの上位種族オーガ。ヤバい、ゴブリンと人間以外の知識に疎いから俺が何になったか分からん。


「ヒトア、俺は何になったんだ?」


「ちょっと待ってくれ、奴隷商のとこからかっぱらった本にそんなのがあった気がする。」


ヒトアが取り出したのはモンスター図鑑中級、という奴だった。他の本は、神話の本と、大雑把な観光ガイドの様なものだった。


その本には見たことがない強そうなモンスターが並び、変異種ゴブリンの欄には、ゴブリンタイタンやゴブリンヘビーウォリアー等見覚えのある姿が見られる。


オーガの欄に、一体だけ俺より遥かに弱そうな緑のオーガがいた。説明欄によると。


オーガ(幼体)幼体だからといって舐めてはいけない。生まれた時からゴブリン達を指揮してオヤツにするために人間を襲う、成長すると肌の色が赤くなる。上位種には、オーガタイタン、等ゴブリン種の様な進化を遂げたり覚醒オーガの様な災害級の者もいる。とにかく、幼体でも中級冒険者がソロで倒せる種族ではない。


との事だ。ゴブリンの肌が老いると赤くなるのと同じだから、ゴブリンと同じで考えるなら、変異種もしくは表記にあった覚醒オーガなのだろう。


小説の題名変えんといかんなぁ......。俺はなんの話をしているのだろうか。まぁ、それは置いておいて。


とりあえずヒトアを肩に乗せて、立ち上がる。


「ちょ、ま、イタイタイちょっと待てゴブル、首が太くなりすぎて股が裂けそう」


おっと、サイズが変わっている事を忘れていた。右肩には捕まるのにちょうど良さそうな硬い突起が何本か生えているので、その間におろす。


「ここなら、ちょうど良さそうだよ」


といって、座る。ゆっくりと歩いて行く。


小さな吐息が横から聞こえる。様子がおかしいな。隣を見る。


「ちょっと上下の動きが激しすぎて疲れた。下ろしてくれないか?」


慌てておろすと、股を抑えながら顔が真っ赤にしたヒトアが奇妙な歩法で茂みへと走っていく。


敵がいないか聴覚を鋭く研ぎ澄ます。この呼吸音は、ヒトアだな。なんでいきなり森の中へ?


その前方から走り込む音が聞こえる、この軽さ、ゴブリンか。ん?様子がおかしいな。


囲まれた様で、服を割く音が聞こえる。一足で飛び上がり、ヒトアの前方に木を己の体重で破壊しながら降り立つ。


驚いたゴブリン達は叫び声を上げながら逃げ帰っていく。大事になる前に気がついてよかった。


「大丈夫かヒトア?」


と、振り返るとあられも無い姿をしたヒトアが一瞬目に入ったが、すぐ目をそらす。あるはずのものが無かったからだ。

いつもなら、怒りそうだが怒声が飛んでこない。


「怖かった。」


ヒトアを優しく抱きしめるべく、サイズを小さくする。腰蓑が落ちるが、気にしない。足元が不自然に湿っているが、それも気にせずに歩を進め、優しく包み込む。俺はヒトアがとても愛おしく感じた。


遠くの方で先程のゴブリン達はゴブリンウォリアーに捕縛された様だった。


ヒトアもこちらを抱きしめてくる。小さな震えが伝わってくる。そして、ヒトアは小さく囁いた。


どれだけの時間がたっただろう。


月が、俺とヒトアを照らす。俺は小さく口付けだけをした。


この日、俺は姫を裏切ることになった。だが、なぜだかとても満足していた。










うーん......。なんかエッチィ。もうちょっとなんか綺麗な感じにしたかったんだけどなぁ〜。まぁ、この程度で運営からお手紙が届くことはないでしょうよ!!多分。


評価ありがとうございます!!ちょっとテンション上がりました!!

気に入ったらコメント評価ブクマお願いします。この小説の寿命が少し伸びます。

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