ゴブリンVS人間
とりあえず、まずは相手の数を確認。嗅覚と聴覚を駆使して位置を探る。まぁ、正面に冒険者らしき男が五人、依頼者が一人って感じか。
楽勝と思っていた。少なくともこの時は。
まず、前進して冒険者のうちの一人を軽くなぐりとばす。すると、そいつは背中で木を破壊しながら森の奥まで飛んで行った。
すると、さっきまでの威勢が嘘のように冷静に助けに行ったであろう一人を除いて三人があわて始める。
「安心しろ、俺は人間を襲ったりはしない。ここで、平和に暮らせるならばそれ以上は望まない。」
すると、落ち着きを取り戻し、その三人と依頼者と話をすることになり、彼らと話をすることになった。
「俺たちはたまたまここに来ていた冒険者のズールズって名前のチームでやらせてもらってる。偶々こいつが俺たちの所に泣きついてきたのが事の始まりってわけだ。一つ聞きたいことがある。人間がゴブリンになったのはどういうわけだ?」
「あぁ、あれは正常な生活が送れない者をゴブリンにして生かすスキルだな。詳細は省かせてもらうが、元に戻すことは残念だができない。人間の頃の記憶はないし、人間に戻すことはできない。」
「そうか」
彼は、その瞬間ニヤリと笑ったように見えた。
その時、外からゴブリンの悲鳴が聞こえた。
「何事だ!!」
扉を開け、飛び出そうとした俺の背中に激痛が走る。
「じゃあ、全員殺して帰って良いってわけだ、楽な仕事だな」
「あいつ達は元は人間だぞ、それに俺たちは共存を......「黙れ!!ゴブリン等顔を見ただけで吐き気がする!!そいつらと共存?喋れるからって調子にのんじゃねぇ下等生物が!!」
なんとか、仲間を助けねばと力を振り絞って開いたドアの向こうでは、先程殴り飛ばしたはずの男がヒトアの髪を掴み
「貴様もどうせこんなクソ共を庇うってことはゴブリンなんだろう!!死んで行けその後はゆっくり可愛がってやるからよぉ......ケケ。」
その光景をメインに、ゴブリン達の血でコロニーは真っ青に彩られた。俺は二歩、三歩とふらふらと歩みを進める。ゴブリンタイタンが、冒険者相手にゴブリーナ達非戦闘のゴブリン達を守っているのが見える。そいつを切っいる冒険者は狂った笑いをあげる。
「何がおかしい!!なぜこんな事をする!!」
「これはお前らゴブリンへの......報復だ。」
俺は、人間とゴブリンの溝の深さに気がつかないフリをしていた。その深さを目の当たりにした俺は。
「諦めちゃダメ!!あんたは、姫と結ばれるために人間と共存するんだろ!!」
そんな声が聞こえる、この声はヒトア。そうだ、俺は。
その時、目の前で鮮血が飛び散った。赤い血が俺の足にかかった。更に背中に二回三回と激痛が走る。
俺は......。目の前の仲間を失うぐらいなら。
「心の底からゴブリンになってやろう。」
思考が飛び、その瞬間足に何かが脆く崩れた感触と共に、轟音が鳴り響く、その回転をたもったまま、一回転し、踏み込みヒトアのすぐ頭上で水風船が弾けたような音と感触がする。
足元のヒトアを守っていたであろうゴブリンの棍棒を二つ拾いそれを投合、逃げ出そうとした冒険者と依頼人の胴に穴を開ける。
ゴブリンタイタンがなんとか敵を仕留めたのを確認すると、最後の一人に向かおうとした時に、俺は膝をついた。体が動かない、毒か。背中に突き刺さった剣を残った力で引き抜く、青い血が吹き出る。
そこで意識を失った。
『貴方は......新しい世界を......この力を授けましょう。』
前よりもはっきりと声が聞こえる。最後は特にくっきりと聞こえた。その時、一つの可能性が示された。
それを俺は、たくさんの犠牲が出る事も同時に知ったが、選んだ。それが世界にとっての正解だと言うことをきっと声の主は伝えたかったのだろう。それが茨の道だとしても。
俺の体はからオーラのようなものが吹き出る。その勢いで冒険者は飛ばされそうになりながらも一歩、また一歩と歩みをこちらに進めてくる。
体が熱い。蒸気が吹き出し、それが収まった頃、冒険者のつるぎはしゃがみこんだ俺の頸椎へと振り下ろされた。
さて、いかがでした?ヒトアを殺されて〜って言うルートも考えていたんですが、バッドエンドにしか繋がらなかったのでやめておきました。この小説が完結した時にIF小説を書いてみるのもいいかも知れないですね。
さて、この小説気に入った、面白いと思ったら評価、ブクマ、コメントお願いします!!テンションが少し上がります。