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地下空間探索

 ぴっちょんぴっちょんと滴る水の音が洞窟の中に響いていた。


 おっかなびっくり進むタカコは、ペンダントのセンサーを使って、道案内するが、緊張感は半端じゃない。


 地下の洞くつは横道は多いがどうやら一か所に向かって伸びているようで、緩い坂道が続いている。地上に出るには上っていくしかないが、地上に近づけば近づくほどに敵の数は増えていった。


「お、おっかないですね……」


『怪獣は沢山出てきてる』


「……ソウデスネ」


 それは確かにその通り。


 探索を続けていれば中に巣くっている奴らは飛び出してくる。


 そしてニーニャは敵を寄せ付けることもなく撃退した。


 タカコは非常に助かるし感謝もしていた。けれど……その光景はどうしようもなくグロかった。


 出来ればこう、見た目マイルドにアクション映画くらいの戦いならいいのだが、残念ながら現実はホラーかスプラッタだった。


「しかし……豪快に触手でぶった切りますよね。何というか……返り血とかすごいですね」


『魔法の乱用は洞窟では危ないんじゃ?』


「そうなんですけどね。私の提案でしたね」


 彼女の使う魔法は爆発したりと威力が高いので、何かの拍子に洞窟が崩れそうだと言った結果、謎の触手での接近戦が対処法として採用された。


 生き埋めのリスクは減ったが、襲い掛かって来る化け物を背後から飛んでくる触手が撃退、目の前で起こる惨劇! の無限ループを繰り返しタカコの精神的な負担は増した感じだった。


「ぬぬぬ、薄暗くなければ失神している自信がありますよ」


『我慢。出口につけばどうにかなる』


「最短ルートを選んでいますとも……」


 少しでも早く地上に出たい。


 全身に怪獣の破片を張り付けて、死臭漂わせるタカコの切実な願いだった。


 だがゴールが実際に近くなってくると、この地下空間のきな臭さが増してきた。


 ニーニャは周囲を見回して、こう評した。


『地下の秘密基地と似てる』


「秘密基地ですか……まさにそんな感じですね」


 洞窟が岩肌ではなく、つるつるとしたコンクリートのような岩肌に代わり、設置された光源で前が見えるようになってくると完全に人の手が入っているとタカコを確信させる。


「やっぱり何かありましたね、この島。一筋縄ではいかなさそうです」


 そしてかなり大掛かりに手を加えられているところを見ると、この設備を作った誰かは相当に進んだ文明からやって来た可能性が高い。


「でも……とすると、向こうだってここが化け物の巣になってるってことが分かってるはずだから……ホラやっぱり」


 道があるはずの場所には分厚い扉が完全に行く手をふさいでいた。


 おそらくは怪獣レベルでも壊せないほど分厚い扉は、そう簡単には外に出ることを許してくれそうになかった。


「あちゃー……。これ出口全部ふさがれちゃってる感じですね……どうにかして扉を開ける方法を……」


 タカコはどうしようかと、ニーニャを振り返る。


『』


 するとそこにはすでにやたら真っ白に光の球を掲げるニーニャの姿があった。


「あ、あの……ニーニャさん? それは一体?」


『奥の手』


「晒すの早くありません!」


 なんてタカコが叫んだところでニーニャは止まらない。


 ニーニャの準備している光は魔法には違いないが、今まで彼女が使っていた物よりも肌がひりつく。


 カッと弾けた光に目がくらんでタカコは目を閉じたが、派手な音など聞こえなかった。


 爆風も何もなく、おかしいなと思ったタカコは閉じていた瞼を開けると、何が起こったのかは一目瞭然だった。


 扉に開いているのはスコンと綺麗すぎるほどに綺麗な円の穴で、その奥には巻き添えを喰らった待ち構えていたと思われる巨大な怪獣が、同じくらいの大きさの穴をあけて体液をぶちまけている。


 問答無用の威力にタカコはよろめき、ニーニャを見た。


『開いたよ』


「……お、お疲れ様です!」


 タカコはコクコク頷いて、先に行けと促すニーニャに従って穴に突撃した。


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