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侵入経路を作ろう

「ギギィギギィ!」


「ギィ!」


「ギィ!」


 大量に、黒いタイツ軍団が集まってくる。


 光線銃に、大きな爪装備の先ほどより攻撃力高めのそいつらは、戦闘員という言葉がしっくり来た。


 しかし思ったよりも数が多すぎる。


 数百体という話だったが、どこら中から次々現れるそいつらは途切れることなく次々出てきて止まらない。


「なんか、数百じゃ収まらないくらいいないか!」


「量産が続いてたんじゃな。そういやラインを止めてなかったかもじゃな?」


「畜生! おかげで狩り放題だよこの野郎!」


 こいつは道を完全にふさがれる前に何とかしないとまずい。


 目的地はドーム状の施設だがちょっとこいつは骨が折れそうだ。


「いや……ドームまでの道以外は、まだ進めるか? どうだテラさん?」


『肯定します。それも時間の問題です』


「よしそれなら!」


 俺は手始めに、適当な街灯にマフラーの端を巻き付けスタートを切った。


 狙う道はドームとは逆方向である。


 それでも戦闘員はいるが、このバイクでアクセルを全開で開け、先頭の一体の直前で前輪を跳ね上げ、押し潰す。


 先手必勝。更にはジャンプ台にして飛び上がった。


 飛んだ先にも戦闘員はうじゃうじゃいるが、そのまま強引に踏みつぶして突き進んだ。


 ドクターダイスの悲鳴が聞こえたが今は構っている暇はない。


「無茶じゃろさすがに! 道間違えてないか!」


「大丈夫! 考えがある! テラさん思いっきりチャージしといてくれ!」


『了解しました』


 後は適当なところで右折を繰り返せばいい。


 案外ゴリ押しでも行く道をふさぐ戦闘員を吹き飛ばせるのはこのバイクに思いのほかパワーがあるからだろう。


 テラさんのアシスト付きでこけないバイクを操りながら、鋭くコーナリングを繰り返す。


 狙った道は巨大なビルの周囲をぐるりと一周、俺はドームの位置と自分達の位置を確認する。


 マフラーの輪の中にビルを囲みこんだ頃には、さらに数を増した戦闘員共が砂糖に群がる蟻のように集まってきた。


「うおおおお! これはさすがに増えすぎじゃ!」


「あんたがやったんだろうが! テラさん! フルパワーで砲撃、狙いはビルの根元だ!」


『チャージ、開放します』


 テラさんの返事と同時に、俺はエネルギー弾でビルの根元を狙い撃った。


 青白いパワーボールが、ビルの根元に飛び込んだ瞬間、窓を破って爆炎が吹き出しビルがきしむ。


「よっしゃ!」


 さらに俺はパワードスーツのパワーを全開にして、伸び切ったマフラーを引っ張った。


 マフラーにエレクトロコア二つ分の膨大なエネルギーが一気に流れ、派手に柱を粉砕すると、ビルの崩壊は決定的に加速する。


 俺は無理やり引っ張り、マフラーを回収すると大急ぎで逃げの体勢を整えた。


「よし! 来るぞ!」


「何が!……なんじゃ?」


 影が日の光をゆっくりと遮った時、騒がしかったドクターダイスも黙り込んだ。


 俺はビルをへし折っていた。


 瓦礫とガラスが降り注ぐ中をかいくぐり、瓦解する建物の隙間をぬけると、地鳴りと共に建物が倒壊した。


 もちろんわさわさ動く戦闘員たちはビルの下敷きである。


「ぬおおおおお! めちゃくちゃするな!」


 なぜかご機嫌のドクターダイスだが、俺も負けず劣らず興奮していた。


「何でもやるさ! そうじゃないと生き延びられないだろ! そら! ビルが倒れてハイウエイも出来た! 堂々と正面から乗り込むとしよう!」


「ひょっひょっひょ! こうなりゃやけじゃい! いっちゃれいっちゃれ!」


 俺達はテンション壊れ気味で、バイクをめいいっぱい飛ばし、綺麗に倒れたビルを道にしてドームを目指す。  


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