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これからの目標

 この家族の考え方を変えると決意したが、もう一つ大切なことがある。それは、カイナのことだ。


 今回の転生でおかしなことが二つある。


 まず、俺は5歳になってようやく頭を打った衝撃で意識が戻ったということだ。俺たちが作り上げた転生魔法では、生まれた瞬間から意識があるように設計したはずなのだ。それにも関わらず、5歳になってから。更に、頭を打たないと意識が戻らなかった。


 そうとなると、カイナもまだ意識が戻っていない可能性さえあるのだ。そうだとすると、カイナは見ず知らずの男と結婚させられてしまうのだ。意識がないまま。


 二つ目は、俺の魔力が少な過ぎることだ。魂と魔力は密接に関係している。その魂によって元々持っている魔力が決まるのだが、転生するときは魂は変わらない。転生だから、魂はそのままなのだ。したがって、俺は前世のハイクの時に生まれ持っていた魔力を持っているはずなのだ。それにも関わらず、魔力が少ししかない。これは、転生魔法の失敗では説明出来ないのだ。もし、転生魔法が失敗していれば、俺はここにいないはずだからだ。しかし、転生は出来ていて、魂はここにある。それから分かることは、外部からの干渉があったということだ。


 俺たちは、『大賢者』『聖女』と呼ばれるほど、魔法が強かった。それは、世界一と言っても過言ではない。そんな俺たちの魔法に干渉出来る存在なんて、人間界には存在しない。それに、魂に干渉することなど人の身では不可能だ。それが出来ると言えば神くらいだ。でも、なぜ神が俺たちの転生の邪魔をするのか。そこが分からない。やはり、何か意味があるのだろう。


 今考えられるのはこれくらいだ。そして、しなければいけないことは、最悪を想定して、まず俺自身が強くなることだ。


 俺が5歳で意識が戻ったといっても、カイナ自身は分からない。もしかすれば、生まれた当初から意識があるかもしれない。もしかすると、手を出されたのは俺だけで、カイナは前世のままかもしれない。そうとなると、彼女はまた『聖女』と呼ばれる立場になるかもしれない。


 そうなると彼女の地位は上がり、伝説のトル―ストン家とはいえ、こんな雑魚の魔法使いとは結婚させてはくれないだろう。


 強い魔法使いは強い魔法使いと結婚し、強い魔法使いの子供を産む。それがこのアバンテール魔法国の貴族の普通だからだ。


 俺は、この少ない魔力で前世のカイナの強さに達しなければいけない。この家族の考え方を変えるために、家族より強くならなければいけない。このトル―ストン家の強さはどれくらい強いのかは分からない。もしかしたら、前世の俺より強くなっているかもしれない。


 結局、やることは一緒だ。強くなる。ただそれ一つだけ。



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