黒い魔物
アクセス数が4日で800回を突破しました〜!ご感想、評価点などお待ちしております!ご感想と評価点は今後の続編に参考にさせていただきます!
5日後、ギルドマスターから呼ばれ、何ごとかと思ったら、洞窟で正体不明の黒い魔物が暴れているのでので、俺らに討伐を依頼したい、とのことだった。
報酬は、金貨10枚。
報酬が多いなぁ…と感じたが、そんなことを気にせずに、パーティールームに戻り、準備を始める。テルルが装備を見て不満そうな顔をした。
「装備…ボロボロ…」
「最近、採取依頼しかしてなかったから気にならなかったけれど、確かにボロボロだな…」
それに、シャーロットが共感する。何故ボロボロなのか?? そんなん決まっているだろう! 黒いドラゴンとの戦いでボロボロになってしまったんだよ!!
「この前オーダーメイドした防具そろそろできてるんじゃない?」
「あ…そういえば…」
とアンナの言葉に今まで忘れていたのかカインが気づいた。そして、
「じゃあ!防具屋に行ってみよう!」
と、シリカが言ったので、俺らはオーダーメイドしてた黒いドラゴンのゴツゴツした鱗の装備を取り行くためにギルドの隣にある、防具屋に行った。
武具屋のおじさんが言うには、ちょうど、今できたそうだ。よかった…
小金貨15枚と、銀貨4枚を払ってから、その装備ををパーティールームに持ち帰り、装着した。
依頼の目的地はケンレイ渓谷の洞窟。
「これから、何が起きてもおかしく無いよ!準備はいい?」
「うん!」
シリカが確認すると、俺だけが返事をした。
え?みんな準備できてないの?!おそっ!
10分後にみんなの準備が整ったので出発した。
俺らがギルドの職員に見送られ、ケンレイ渓谷の洞窟を目指す。行く途中、異様な光景を目にした。それは、Bランク鳥類の魔物であるアクスビークが何者かに追われるように逃げてくる光景だった。
ドドドドドドドド
土煙とともにこちらに向かってきたので、無表情でテルルが風魔法『トルネード』を放った。飛べない鳥だったので、片付けやすそうだった。
2時間半かけてケンレイ渓谷の洞窟についたのはいいが、洞窟の中は、あのドラゴンが吐いていたのと同じような黒い霧が充満していた。
「これって、まさかだとと思うけど、この中にも前のドラゴンみたいなやつがいるんじゃないでしょーね?」
「この状況から見て確実にいると考えた方がいいかもね。」
「闇属性耐性の強化魔法…いる…?」
と、アンナとシャーロットの会話で気を利かせたテルルが無表情で顔を傾げながら聞いてきた。
「ソラも…手伝って…」
なので、俺と、テルルは全員に身体に強化魔法を付与し、奥に進んで行く。
洞窟の中を進んでいくが、水が一滴一滴落ちるだけで、魔物1匹すら見当たらない。
「ほんと、この洞窟…魔物1匹すら…いないね…」
「そうだね!」
と、シリカが答えて、さらに奥に進んで行くと、人が作ったと見られる少し大きい空間が広がっていた。そこには、見たこともない魔物がいた。外見は…口から黒い息を吐き、オークが巨大化したみたいになっている。
だから、名前はオークバージョン2としておこう。略してバージョン2だ!ネーミングセンスは気にしないで欲しい。いや、気にしないでっ!!
だが…推測するに、これはSランク…もしくはそれ以上。だが、ここに放置するわけにもいかないので、戦闘を始める。最初に、俺が魔法を放つ。
「ファイヤーボール!」
詠唱して当てたのはいいが、やはり無傷。
…ひいぃぃぃぃっ……おそろしっ…
魔法がヒットしたと同時に前衛のシリカ、アンナシャーロット、カインで攻撃を仕掛けて行く。
シリカはいつも通り、身体強化魔法をかけ、音速を超える速さでバージョン2の首に迫り、3連撃の鋭い攻撃をしていくが無傷。
続いて、カインとアンナとシャーロットはまず、カインが、体を縦2回横3回転させながら足を攻撃し、アンナとシャーロットは右足と左足の足をそれぞれ攻撃するが無傷。
バージョン2がアンナを攻撃し、一撃でアンナの体力が半分削られる。急いで、俺は『ヒール』を使った。
そして、俺とテルルが光属性の上級魔法である矢の雨を放つ。
「「シャイニングシャワー!!」」
すると、刺さった。うん…呆気なく刺さった。だが、刺さった傷口がすぐに閉じていく。
するとシリカ気づいた。
「相手は、光属性の魔法が効くみたいです!ソラとテルルは、さっきの魔法を頭に放ってください!その傷口を私とカインとアンナで広げるんで、シャーロットはトドメをさしてください!!」
俺とテルルは再び『シャイニングシャワー』を頭上にまとめて放つ。すると、頭上に傷口が空いた。
そこにすかさず、シリカがアンナとカインと一緒に音速で移動し、傷がついた頭上にシャーロットの剣を3人で突き刺し、3人の体重と重力を使って傷口を開いていく。
そして、最後にシャーロットが天井に向かって跳躍し、天井の壁を蹴ってバージョン2の傷口が空いたところに剣を突き刺し、
「オラァァァァァァァァァ!!」と掛け声と共にそのまま、体を真っ二つにした。
シリカはバージョン2が絶命したことを確認する。
俺が気づく、真っ黒く輝いてる石があった。
ん?これなんだ?
「お姉ちゃん!これ、何?」
と指をさして言った。するとシリカが来てくれた。
「これは…魔石?いや、こんな色をしてるはずないよ…?」
「いや、これは魔石だね。この魔石は危ないから壊すよ。」
と、アンナが言いながら、魔石を壊した。それからこの空間をしばらく探索したが、魔石以外出てこなかった。
俺たちは、警戒しながらさらに奥に進んで行く。