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兄は以外と面倒見がいい?

はじめましてはじめです。

再びの方はこんばんは。


この更新の前につるぎも更新しています。良かったら見てください。


ちなみに先月の今日小説を書き始めて一ヶ月後の今日に新しい話を書き始めるとは、一ヶ月前は考えなかったな……。どちらも完結させるので気長にお付き合いお願いします。

 アオミドロは無事だった。


 傷だらけではあったけど、頑丈なようだ。


「お前いつからそんなにつよくなったんだ?」


 やられたというのに以外とさっぱりしている。


「今日、ボコボコにやられた後かな」


「嘘つけ」


 差し出した手をリケッチアは素直に握り起き上がる。


「後でソフィアに謝れよ」


「なんで使用人に謝るんだよ」


「あぁ?」


 わかった、わかったと両手を前に突き出して俺から離れるアカシオウズムシ。


 本当にわかっているのだろうか。


 正直このイカダモ、前世の剣道部の連中より動きがしょぼかった。


「そういえば、兄さんの名前なんて言うの?」


 俺はウズムシに尋ねた。正直こいつの名前なんて微生物で十分だ。


 一応家族だと言うし名前くらい覚えてもいいかなと気が向いただけだ。


「お前何言ってるんだ?」


「クンショウモのせいで記憶がなくなってね」


 クンショウモ?と頭にはてなを浮かべる。


「それはすまなかったな」


 理解して謝ってるようには見えない。


「俺はお前の兄、ちなみに後姉上と兄上がいるぞ」


 三男かよ。大家族だな。けど貴族っぽいし少ない方なのかな?


「で、名前は?」


「俺はマルセル、一番上の姉上はエリー、兄上はレオンだな」


 そういえばソフィアがそう読んでたな。今更そんなことを思い出す。しかし随分一貫性のない名付け方だな。


「マルセルは何歳?」


 呼び捨てかよ。とぶつくさ言うアーベル。


 お前なんかホントなら微生物の名前で十分なんだからな。無駄にイケメン顔しやがって。


「俺は十五だ。アルは十だぞ」


 やっぱり俺の予想は大体当たってた。しかし聞いてもいない事まで答えるとは気が利くじゃないか。


「姉上は二十、兄上は十八だな」


 ふーんと興味無さげに答える。マルセルは不服そうにしていたが無視だ。


「マルセル様、アルフォンソ様!」


 屋敷からソフィアがかけてくる。マルセルの名前が先なのが気に食わないが我慢する。


「ソフィア。先程はすまない」


 きっちり九十度。頭を下げるマルセル。


 やればできるじゃないか。


 ソフィアは目をぱちくりさせる。可愛い。


「滅相もありません、お顔をお上げくださいまし」


 ソフィアはそう言って慌てる。慌てる姿も可愛いな。


「これは弟と約束したけじめだ。気にするな」


 そう言って俺の頭に触れる。


 やめろ、触るな。


 こいつ案外直上傾向なだけなのか?


 俺はそう思いながら三人で屋敷に入り、俺の部屋にマルセルまで着いてくる。


「で、どうするよ。これ」


 俺の寝室らしき部屋には大穴が空いていた。


「こんなの魔法で直すに決まってるだろ」


 マルセルはそう言って魔法を使う。


 みるみるうちに大穴が元の形に戻る。


 えっ、魔法ってなんでもありなの?


「お前もできるだろ?」


 ドッカーン!と再び壁に大穴を開けるマルセル。


「お前は馬鹿か!」


「兄に向かって馬鹿とはなんだ!表にでろ!」


「だが、断る!」


 俺とマルセルはぎゃあぎゃあと言い合う。


「わ、私が直しますので……」


「いいよ、ソフィアがそんな事しなくても。俺が直すから。五割再現(ハーフオーダー)


「違う違う。それユニークスキルだろ。ていうかアルのユニークスキルそんなんだったか?」


「俺ユニーク以外使えねーよ」


「嘘言うなって」


 マルセルは笑って俺を見る。俺は真顔だ。


「マジか」


「マジだ」


 ここまで馬鹿になるなんて……マルセルがそう呟く。お前のせいだろ!てか、失礼だな!


五割再現(ハーフオーダー)


 俺はユニークスキルで壁の大穴を直す。


 別に壁くらい少し強度が弱くてもいいだろう。


「それ便利だな」


「それほどでもないよ。それよりマルセルのユニークスキルは何なんだよ」


 俺だけ知られるなんて不公平だ。教えろとマルセルに歩み寄る。


「俺は鑑定だって、知ってるだろ?って知らないのか」


 マルセルは俺から離れてそういった。鑑定なんて大したことないな。


「ソフィアは?」


「家事スキルです。アルフォンソ様の様な戦闘向きのユニークスキルは珍しいですよ」


 別に戦闘用ではないと思う。要は使い方だ。


 鑑定のユニークスキルだっておそらく武器の弱点や相手の弱点でも見えるだろうし、それを応用……何をやっても五割止まりこ俺が応用なんて言うのは違うか……


 自分の考えに自分で落ち込む。


「どうしたんだよ」


「兄上これからは兄上のこと心の中で微生物の名前で呼ぶのはやめます」


「あれ微生物の名前だったのかよ。てか微生物ってなんだ?心の中って!?」


 うるさいクサリケイソウ……違ったマルセルだな。うるさすぎて微生物の名前が出たじゃないか!


「はいはい。マルセルマルセル」


「お前な!」


 目頭をピクピクさせるマルセル。マルセルはからかうには丁度良いな。


「あー、疲れた。誰かにボコボコにされたせいだ。兄さん休むからちょっと散歩してて良いよ」


「なんでアルが予定を決めるんだよ。もうすぐお父様とお母様。それに姉上と兄上が帰ってくるから出迎えに来るんだぞ!」


 やっぱり面倒見が微妙にいい。なんで俺をボコボコにしたんだか……


「ソフィア」


「なんですか?」


「手握って」


 ベットに横たわった俺はソフィアに手を握ってもらう。前世の俺からは考えられない行為だなー。


 もしかして安西もこの世界に来てたりして……んな都合の良いことはないか。


 俺は、家族という人たちが戻ってくるまで寝ることにした。


 魔法にユニークスキル。まだまだわからないことばかりだけどこの世界でなら俺は凡庸じゃなくて汎用になれるのかな。そんな事を思いながら仮眠を取った。

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