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おおうそつきの だいなしさん

作者: 猫の人

むかしむかし あるせかいに ちーとをもったにっぽんじんがあらわれました

にっぽんじんは おたくだったので ちーとをもらっておおよろこび ちょうしにのって おおあばれしました

わるいやつをやっつけて さいしょはまんぞくしていたにっぽんじんは ひとをたすけることにあきてしまいました

わるいことをおぼえて くにをのっとってしまったのです

おうさまも きぞくも みんしゅうも ふだんはわるいことをするれんちゅうも このときばかりはきょうりょくします

だけどちーとなにっぽんじんにはかないません みんなやっつけられてしまいました

おうさまはころされみんなみんな なきました

それをみてわらうにっぽんじんは とてもたのしそうでした


そんなにっぽんじんがあらしたくにに だいなしさんがやってきました

だいなしさんはにっぽんじんにあって すぐにやめるよういいました

にっぽんじんはいいました 「おれはちーともちだから なにをやったっていいんだ」と

たとえちーとでも じぶんががんばっててにいれたくにだから なにをしたっていいのだとわらいます

おこっただいなしさんは にっぽんじんのちーとをとりあげたと うそをつきました

だいなしさんはすごいうそつきなので にっぽんじんはだまされました


ちーとがなくなったにっぽんじんは あせってかえすようにいいますが だいなしさんはむしします

ちーとがなくなったことをしった きぞくやみんしゅうに にっぽんじんはやっつけられてしまいました

おうさまはいなくなったけどのこったおうぞくときぞくたちが がんばってくにをたてなおします

みんながみんな だいなしさんにかんしゃして しあわせになるためがんばります


それをみとどけただいなしさん つぎのせかいにたびだちます

おおうそつきのだいなしさん

たったひとつのうそだけで わるいにっぽんじんをだいなしに




むかしむかし あるせかいに ふこうなしょうじょがいました

ちーとをつかう あくまのようなやつに こいびとをころされ それをしってから まいにちないていました

ないてばかりいてもとてもうつくしかったしょうじょは あくまのようなやつにおそわれました

こいびとをころしたおとこにふくじゅうさせられたのです

かぞくも ともだちも しりあいも ふだんはつきあいのない ごきんじょのひとまで みんなつかまりひとじちに

だからやさしいしょうじょは したがうしかありませんでした

あくまのもとで いろんなひとが ないています

あきたあくまはそれをみて もういらないとすてました


ぼろぼろになったしょうじょのところにだいなしさんがやってきました

しにかけたしょじょをすくうことは だいなしさんでもできません

だいなしさんはしょうじょにききます 「あなたののぞみをきかせてちょうだい」と

さいごのちからでしょうじょは こいびとにあいたいと なみだをながしました

やさしいだいなしさんは こいびとはしんでなかったと うそをつきました

だいなしさんはすごいうそつきなので しょじょはだまされました


なんねんもたって こいびととふたりでまごをみつめるもとしょうじょ

ろうじょになったといっても うつくしさはかわらず ほほえむすがたはかいがのようにきれいで

さきにいったかぞくのもとに こいびとにみとられながら たびだちます

たすけてくれた だいなしさんにかんしゃして しあわせかみしめほほえみます


つめたくなったしょじょのからだ ささげられたちいさなはな

おおうそつきのだいなしさん

たったひとつのうそだけで しょうじょのふこうをだいなしに




たびをおえただいなしさん なかまのところにもどります

わるいちーとたおすひと そんなちいさななかまたち

たすけたひともたまにいて いつもここはにぎやかで

かえってきただいなしさん みんなに「ただいま」とあいさつします


かえってきただいなしさんに みんながみんな あいさつします

ここはちいさなせかいだから みんながかぞくで たすけあう

だいなしさんの いこいのば


たおしたあくにん わだいにすれば みんながあつまり はなしにききいる

だいなしさんのかつやくに はくしゅかっさい えがおのしゅくじ ろうをねぎらい しゅしょくをすすめる

だいなしさんも えがおをみせて みんなといっしょにわらいあう


ごはんのじかん おわればひとりの おじかんです

じしつにもどり おねむのじかん

だけどどあを たたくおと

へやのそとには なかまのしょうねん


だいなしさんはどあをあけ しょうねんあいてにえがおをみせる

だけどしょうねん えがおをむしして だいなしさんをだきしめる

「もうだいじょうぶ おつかれさま」と だいなしさんをだきしめる


だきしめられた だいなしさん しょうねんあいてになみだをみせる

「おそくなってごめんなさい たすけられなくてごめんなさい」 だいなしさんはあやまりつづける


ずっとずっとつらかった こころのうちを くちにする


おおうそつきのだいなしさん

つらいきもちにうそをつき なかまをだまし じぶんをだます

せかいもだませるそのうそでえがおをみせるおおうそつき


だけどそんなおおうそも こいするしょうねんにはかなわない

すきなひとをみるそのひとみ どんなうそでもだませない


おおうそつきのだいなしさん

かくしきれないそのなみだ ついたうそをだいなしに

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