馬欲しい
「馬欲しい」
先の戦での心の傷が癒えた彼は、騎馬のかっこよさに魅せられたようだ。
「あ~、よく居るんですよね。ボロ負けした人が対戦相手の使った装備や戦い方を真似ることって。」
妖精が呆れたような難しい顔で言う。
「なら俺も真似してだな「でもですね」
嬉々として今後の方針を語ろうとして妖精に遮られ
「む!」
っとする彼。
「いいですか、そもそも騎馬を持つにはお金がかかりますし育てる人手や場所も必要です、この時点でケンジさんには騎馬を持つことは不可能です。それから、騎馬は一騎だけでは歩兵に囲まれて養分にされるのが落ちですし騎馬隊になるには訓練が必要なうえケンジさんが使いたい剣では長さが足りないので槍を使うことになります、また~~~なうえ~~~ なので~~~だから~~~そして~~~と~~~~~~~~~~~~~~で~~~~~~から~~~~~~と言う訳で、ケンジさんには騎馬は持てません。」
鼻息荒く騎馬に対して熱弁を奮う妖精に対し
「…………あ、はぁ」
彼は呆れた気のない返事をするのだった。
「じゃあ今出来る対策はないのか?」
「お、その切替の速さ良いですね、そうですね、変わりに馬柵や岩、崖、他の障害物を使っての対応をオススメします。」
「馬を使えなくするのか」
「それより馬ごと叩き切ったりしたい」
「斬馬刀使うのも一つの手ですが、それだとステ振りやスキル取りが制限されます、だから初心者がすると地雷にしかなりませんよ、ケンジさんには先に普通の剣士として戦争そのものを理解して貰うのがいいでしょう」
「ふむ…なら仕方ない、じゃあまた戦争行くか」
「ええ、戦争に何度も参加して死んで覚えるのが良い方針ですね」
「さて今回は…平原じゃなく……馬が使えないような……おしここ(攻城戦)にいこう」
城と言ってもいくつもの種類がこのゲームにはある日本式の入り組んだ通路のある城、忍者用の通路もあり一人で歩いていると後ろからブスリとされる、もちろん迷路無しの城もある。
中国風の石を積み上げ赤い柱がいくつもある城もあれば砦のような堅牢そうな壁と掘りにいくつも囲まれた城
どれも城を守る側と攻める側があり戦う城によっては「熱い油」「岩」「投石機」などの固有の設備が準備されてる場合がある。
ここで主人公が決めたのは入り組んだ通路が付いている城であった、なお戦場はいくつもあるなかでランダムに戦闘可能状態になり一つの戦場に参加する人数が上限の8割を越えたら次の戦場が戦闘可能となる、なので参加出来るのは始まったばかりの戦場か参加人数が上限の8割を越えた戦場となるので今回の戦場が城なのはたまたまである。
「ふむ城の防御側ですか」
参加ボタンを押し光の粒に分解、城の内部で合体したところである。
「攻城戦は「うおおお、刀の錆にしてくれるわああ」あ、行っちゃったここ(迷路付き城)は迷い易いのに…待ってれば敵にやられて帰ってくるでしょう」
このゲームは現実性を高める為に戦闘中は各種会話機能が制限され近くの声しか聞こえない仕様である。
「あれ?ここどこだ?」




