ふわふわのオムライス
第15話です。
タイトルで少しネタばれしましたね(^ー^)
『好きな食べ物何?』
『・・・オムライス。卵がふわふわのやつ。』
(まずはケチャップライスを作って・・・)
玉ねぎなどの野菜を細かくみじん切りにし、ウィンナーを輪切りにする。
ごはんはお茶碗に軽く一杯分。
着々と作業を進めていると
「お兄ちゃんはねーーー」
「!!」
『お兄ちゃん』という言葉に反応しリビングを覗き込む。
(いやな予感がする・・・。)
例えば、何か秘密をばらされたりしてるんじゃないかと不安になる。
「---、---」
「ーーー?」
(くそっ・・・)
具材を炒めているせいか、それとも小さな声で話しているせいか。
いや、その両方のせいか何を話しているかまったくわからない。
もしも何かぼくの秘密をばらしているなら・・・
(明日の夕飯はピーマンで埋め尽くしてやる・・・!)
その後なんとかオムライスを完成させ、テーブルまで運んでいると
「手伝うよ」
「あっ、お願い」
近づいてきた桜木にとりあえずオムライスの皿を渡す。
「・・・!」
皿の中をみると驚いたような顔をする。
ぼくの顔を見上げた桜木の顔はうれしそうに笑っているように見えた。
というより目が輝いている。
(喜んでいる・・・よな?)
ちょっと子供っぽい桜木の表情にこちらもついつい笑顔になる。
「いただきます!!」
「いただきます」
「どうぞ」
皿に料理を並べ終わり、食べ始める。
秋奈も桜木もおいしそうに食べてくれる。
そんな2人の様子を見たついつい口角があがる。
しばらくして、秋奈と桜木が突然
「ね、お兄ちゃんの料理おいしいでしょ?」
「本当においしい。秋奈ちゃんの言うとおりね」
2人の言葉に頬が少し熱くなるのを感じた。
まさか自分の料理を目の前でおいしいと言われるとは思わなかった。
「べっ、べつにそうでもない・・・」
こういうとき何て返したらいいのか分からず言葉が続かない。
そんなぼくを『とんでもない』とでもいうかのような調子で
「ううん、本当においしいよ?私は料理が下手だからうらやましい」
ふと4日前の黒いクッキーを思い出す。
「ハハハ・・・」
ごめん、苦笑いしかできない。どうしても顔がひきつる。
「さすがはカフェ経営を目指しているだけあるね」
ガチャッ
「・・・え?」
ぼくのスプーンを持つ手がが固くなって止まる。
つい、スプーンで皿をついてしまった。
「わー!わぁー!」
秋奈がかき消すように大きな声をだす。
(秋奈ぁ・・・)
秋奈をじろりと見上げると顔をそらされた。
桜が首をかしげている。
明日の夕飯のメニューは決定した。
「ごちそうさまでした」
夕飯を食べ終わり片付けも手伝ってくれた桜木はおじぎした。
「あっ・・・ぼく送るよ」
玄関から出て行こうとする桜木を見て急いで玄関に向かう
「いってらっしゃーい」
秋奈の声を背中で受けながらぼくは桜木を追いかけた。
桜木の好きな食べ物はオムライスでした
ちなみにハルトは麺類です。
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