ぼくの中の小さな変化
こんにちは、夏みかんです!
この小説は以前「みかん」という名前で書かせていただいていた、
「もしもあの時」の続きのようなものです。
どうかご理解お願いいたします。m(_ _)m
「杉野祭」準備1日目。その日はいろいろな意味でおどろいた。
まず一つは桜木が料理が下手だったということ。
二つ目はそれが理由なのか、その後にぼくと桜木が担当を交代することになったこと。
なにやともあれこの先が大変なのでは、と気がかりだ。
___________________________________________
ぼくが桜木と担当を交代して4日目。最初は少し戸惑ったが、杉野祭に向けての準備は着々と進んでいた。
キーン コーン カーン コーン
「よし、じゃあ今日はここまで。解散!」
メニュー係のリーダーが合図をかけるとみんなゾロゾロと家庭課室を出ていく。
(さて・・・。僕も帰るか)
ケータイで時間を見ると「17:15」とでていた。
とりあえずケータイを机に置いて大きく伸びをした。
(今日の試食で作ったクッキーおいしかったなぁ・・・。)
そんな事をのんきに考えながら帰っていると、いつの間にいたのか、たけるが肩に腕をまわしてきた。
「きいてくれぇ・・・ハルトぉ」
「・・・なんだよ、どうしたんだ?」
たけるは大きくため息をついてからゆっくりと話しだした。
「あのよぉ、俺さぁ・・・内装係だろ?」
「・・・うん」
「それでよぉ・・・こぼれたんだ。ほとんどやり直しなんだ。」
「うん、意味がわからない。もう少しちゃんと説明してくれ。」
「それがよぉ・・・」
そこから言葉足らずのたけるの説明が長々と続いたが、要約すると・・・
内装係はもうデザインも決まり、看板やかざりの一部はほとんど完成していた。
しかし、内装係の女子の一人が何かにつまずきペンキをこぼしてしまった。
さらに運の悪いことに、それによりかざりの一部と看板がやり直しになってしまった。
「そっちはそっちで大変そうだな・・・。」
「おうよ・・・明日はほとんど0からやりなえおしだぜ・・・。」
がくっりと肩を落とすたけるの背中を「どんまい」と叩く。
(0からはたいへんだよなぁ・・・。)
たけるに少し同情しているとふと、
(そういえば、桜木はぼくと交代で内装係になったんだっけ・・・)
とまで考えてしまった。急いでその考えを消そうと頭を左右に数回振る。
(また桜木がでてきた・・・。いったいどこまでぼくはキモチの悪い奴なんだ・・・!)
最近なぜか、歌を聴いてるときや、ボーっとしている時にふっと桜木の事を考えてしまっている。
・・・いったいぼくどうしたんだろう。
その後すぐたけると曲がり角で別れた。
ぼくは秋奈に連絡を入れておこうとケータイの入っているはずのポケットをさぐった。
「・・・」
いくらさぐってもケータイは見つからない。鞄を捜して見てもない。
「しまった・・・。学校に忘れた・・・」
今日家庭課室の机に置いたことを思い出しため息をつく。
(捜しに戻ろう・・・。)
ぼくは元来た道をあるきだした。