まちがいだらけの登場人物紹介。あるいはこのお話のマニュアルのようなもの。
この文章は後書きのようなものであって小説本文ではありません。
完全に蛇足となりますので本編で満足された方は読まない方がよいです。
以下の文章にはある種ネタバレ的な物、裏設定的な物が多分に含まれています。タイトルにマニュアルと書いてはありますが、本文(1~18)を全て読んでいない方は読まない方がいいです。ここを一番最初に読むと、おそらく一番つまらないです。
本編(1~18)が短文の羅列という非常にわかりにくい書き方をしているため、解答編というわけじゃないですが大まかにこちらが想定した、このお話の大まかな内容というものを登場人物紹介の形で書こうと思います。
本文中であれこれはっきりと書いていないのはワザとですが、以前某所で公開したときに本文中で父と呼ばれていた日高夕日が日高真昼の弟ということすらわかっていただけなかった方がいましたので、こちらが想定する、読者に「とりあえずこういうお話」だとわかっていただくための登場人物紹介・設定を書いておきます。
ただし、注意書きとして、以下の設定はわたしが決めたものですが「正式な物ではありません」。
大事なことなのでもう一度書いておきます。以下に書かれている登場人物設定は、必ずしも正しいものではありません。
■登場人物紹介
日高 真昼
高校二年生。享年16歳。23年前(1987年)の4月16日の夜、早瀬晶に誤って人違いで殺されてしまった。
死体は見つかっておらず、世間的には行方不明扱いとされた。
多量の血痕が見つかっており、状況からは当時からおそらく死亡とされていた。
7年以上経っているため法律上死亡とされているが、両親はいまだに真昼の部屋をそのままにしている。
幽霊となってあきらに会い、復讐?をはたす。
日高 夕日
真昼の弟。事件当時は中学三年生(14)。現在は美津子と結婚し、一人息子の隆がいる。
姉に手紙の存在を教えられたのが4月1日だったため、すっかり言いつけを忘れていた。
幽霊の真昼に、父と間違われる。
日高 美津子
夕日の妻。事件には無関係。
幽霊の真昼に、お手伝いさん呼ばわりされる。
日高 隆
夕日と美津子の一人息子。中学二年生(13)。事件には無関係。
幽霊の真昼に、弟と勘違いされる。父親の夕日の若い頃によく似ているようだ。
早瀬 晶
高校二年生。享年17歳。23年前(1987年)の4月16日の夜、水無月早苗を殺すつもりで
誤って日高真昼を殺害してしまい、自責の念により4月17日に自殺。
実の兄に異常な愛情を抱いていた。
早瀬 隼人
晶の兄。あきらの父。事件当時高校三年生(17)。真昼、早苗の部活の先輩。
晶を溺愛していた。なぜ早苗と付き合うようになったのかは不明。
大学を出て就職後、早苗と結婚し、生まれた娘に晶の名前をつけた。
早瀬 早苗/水無月 早苗
真昼の友人。事件当時高校二年生(16)。隼人の後輩で隼人と深い関係にあった。
真昼の弟、夕日とは1年間だけ同じ高校に居た。
隼人と結婚し、あきらを生む。旧姓は水無月。
しかし、あきら3歳の時に事故で階段から落ちて死亡。
早瀬 あきら
高校二年生。現在17歳。陸上部。走るのが好き。隼人と早苗の子。
中世的な外見で、髪を短くしている上に他人と話す時に一人称「ボク」を使うため
少年に見られることが多いが女の子である。
他人と話すときには一人称「ボク」を使うが、文章を書くときなどには「わたし」を用いる。
ときどき自分が体験したことがないはずの記憶が蘇ることがある。
早瀬晶の生まれ変わり。お父さん大好き。
……この子の今後の人生が幸せかどうか不明。
■時系列
23年前
・1987/03/12(木) 17:45 学校帰り 「5、お気楽女子高生の日常」
日高真昼、水無月早苗と他愛のない会話。
・1987/04/01(水) 19:30 日高家・2階 「6、お気楽女子高生の謀」
日高真昼、日高夕日をからかう。
遺書などの仕掛けを作る。
・1987/04/02(木) 21:40 早瀬家・2階 「7、幸せな女子高生の日記」
「さなえ」、早瀬隼人とえっち。
早瀬晶、「さなえ」に殺意を抱く。
・1987/04/16(木) 20:42 川原側の路上で 「8、とある通行人Mの悲劇」「9、誰にも見つからなかった手記」「10、風に飛ばされた遺書」
早瀬晶、「さなえ」を殺害しようとして誤って日高真昼を殺害。
死体を埋め、帰宅。
その日のうちに手帳に経緯を書く。また遺書を用意。
・1987/04/17(金) 21:03 ビルの屋上 「11、ある殺人犯の悔恨」
早瀬晶、普通に学校に行き、授業を受ける。
この際、どこかに手帳を隠した。
早瀬晶、学校帰りに、そのまま街にでて、ビルの屋上へ。
自殺を決意していたが、風にあおられて落ちることに。
自殺が疑われたが、家族も友人も動機に思い当たる節がなく、
また用意した遺書は風に飛ばされて発見されなかったため、
最終的には不注意による事故として処理された。
17年前
・1993/04/23(金) 20時過ぎ 病院 「12、リア充会社員の幸せ」
早瀬隼人、早苗の第一子として長女あきら誕生。
14年前
・1996/04/17(水) 21:03 早瀬家・階段 「13、幸せな主婦の憂鬱」「14、だいきらいなママへ」
早瀬あきら、母、早苗を驚かそうとして階段の上部屋に隠れ、
探しに来た早苗を脅かす。
驚き、尻餅をつく格好になり、そのまま頭から階段を転げ落ち早苗死亡。
この出来事を、なぜか早瀬あきらは覚えていない。
現在
・2010/06/06(日) 14時過ぎ 川原・ジョギングコース 「1、とある通行人Aの日常」「2、お気楽幽霊のお願い」
早瀬あきら、日課のジョギングの途中で日高真昼の幽霊に会う。
伝言を頼まれ、日高真昼の家に行くことに。
・2010/06/06(日) 15時頃 日高家・玄関 「3、とある通行人Aの悲劇」「15、残された者の追憶」「18、とある少女の遺言」
日高美津子、日高夕日と、早瀬あきら、日高真昼のやりとり。
あきらは真昼の死を夕日に告げ、真昼の遺書のありかを示す。
・2010/06/06(日) 16時頃 日高家・玄関 「4、お気楽幽霊の復讐」「15、残された者の追憶」「18、とある少女の遺言」
真昼の姿が掻き消え、同時にあきらが気を失う。
・2010/06/07(月) 8時 日高家・居間 「16、とある少女の日常」「17、とある少女の喜劇」
真昼に取り憑かれたあきらが、真昼の日常をなぞり、玄関を出たところで我にかえる。
以上が、とりあえずの解釈の例になります。
まとめると、下のような感じでしょうか。
・ヤンデレ妹が兄の彼女に嫉妬して殺害を計画するも、誤って他人を殺害、自責の念により自殺。
・神様がお願い聞いてくれて、兄の娘として生まれ変わった。
・3歳の時に9年越しの殺意で「さなえ」を階段から突き落として殺害。
・間違って殺した真昼には罪悪感があったので、真昼の幽霊に会った際に、無意識にその望みを叶える方向に行動。
・最後に幸せな夢をみながら成仏したんだといいけれど。
もう一度書いておきます。これが正解でも正しい認識とも限りません。
「こういう風に見えるように」本文を書いたつもりはありますが、これが正しいとは言いません。
なぜならば、上記のような解釈をした場合にも、矛盾や謎が結構あるからです。
自分で自分に盛大なツッコミ。上記の設定をもとにした場合に、パッと見で思いつく矛盾や疑問を挙げてみます。
1、とある通行人Aの日常
・なぜあきらは、普段行かないコースを走る気になったのか?何かきっかけでもあったのか?
→真昼の残した仕掛け、あるいは晶の手記を発見して、事件現場に行ってみたくなった?
2、お気楽幽霊のお願い
・なぜ幽霊のスカートであきらの目隠しが出来たのか?
・なぜ、真昼はあきらの顔に見覚えがあったのか?
→早瀬先輩の子供だから?
・なぜ、あきらは真昼の顔を見たことがあるような気がしたのか?
→前世で、月明かりで一瞬見ただけの顔なんて、そうそう覚えているものだろうか?
→母親の持っていた写真等で見たことがある可能性。
・真昼は自分が死んでいるという認識があるにも係わらず、死因を知らない節があるのはなぜ?
・コートの胸と腹の辺りが血で染まっていたので、刺されて死んだと真昼は思ったようだが、それに気がついたのはあきらとの会話中?
・またコートが血で染まっていたという表現があったが、真昼もあきらも実際に傷口を見ていないので、死因は実際のところ未確定。
→真昼が実際には死んでいない可能性。
・真昼の幽霊はいつから存在しているのか?
→真昼の幽霊が存在しない可能性。見たと証言するのはあきらだけ。あきらの見た幻覚、またはウソなのでは?
3、とある通行人Aの悲劇
・普通、自分が幽霊であることを認識したなら、近いわけだし自宅に行って見ようと考えるのが普通だと思われるが、真昼が死んでから初めて自宅に帰る様子なのはなぜ?
・二十三年経っているのに、真昼にそれだけの時間を過ごした認識がないのはなぜ?
・弟の夕日を父親と勘違いするって、ちょっとご都合主義な気がする。
・夕日は真昼の幽霊がいることを簡単に信じすぎなのでは?
・あきらってなんで一人称だと「わたし」なのにセリフでは「ボク」なのか?
4、お気楽幽霊の復讐
・っていうか、見知らぬ他人を引っ掛けてイタズラ大成功!みたいな感じで成仏するのってどうよ? そもそもなんで真昼って迷って化けてでてたの?
5、お気楽女子高生の日常
・早苗って胸大きい?
・真昼はそれほど胸が大きいような記述はないが、コートの上からでも早苗と真昼は胸の大きさで別人とわかる可能性があるのでは?
・つまり、早瀬晶が殺そうとしていたのが早苗ではない可能性があるかもしれない。
6、お気楽女子高生の謀
・なんでこの章だけ会話文だけで地の文がない? 手抜き? それとも、カセットテープのような音声だけの記録をイメージしている?
・A-30とかC-12とか具体的に何を意味してるんだろう?
・真昼が感じていた妙な視線とは何か? 弟をからかうためのウソ? それとも……真犯人の影?
7、幸せな女子高生の日記
・この日記を記述したのは誰か? 普通に読むと早苗のように思えるが、5章の真昼と早苗の会話によると、早苗は身持ちが固いという記述があるにもかかわらず、まひるに対して自慢しようとまでしているのは同一人物とは思いにくいのでは?
・先輩って、5章の会話で出てきた早瀬先輩なのか?
・途中で帰ってきた妹って誰? 早瀬晶だとは明確には書かれていない。
8、とある通行人Mの悲劇
・ハンカチに含ませた、なんらかの薬品。犯人はどうやって手に入れた?
9、誰にも見つからなかった手記
・早瀬晶が殺意を抱いていた「さなえ」って誰?
・兄と関係を持った女を殺そう考えるほど実の兄に異常な愛情を持っているくせに、なぜ自分は兄と関係を持とうとしなかったのか。けして得られないものを横からさらわれるという表現が気になる。
→早瀬晶が男である可能性。
・薬品はどうやって手に入れた? 医療関係者に協力者がいる?
・暗がりでフードをかぶっていたとはいえ、人を殺そうというのにそうそう簡単に見間違えたりするものだろうか? 背格好、体型が非常に良く似ていたのか?
・殺害現場のすぐ側に埋めたような記述があるが二十三年後でも死体は見つかっていないのはなぜか?
→誰かが死体を隠した?
→そもそも誰も殺していない可能性。あくまで手記であり、早瀬晶本人が書いたものと保障されていない。
・殺されたのは、本当に真昼なのか? 8章では学校帰り、制服を着ていた記述があり生徒手帳なり鞄を調べるなり、多少なりとも身元の手がかりを得る手段はあったはずなのに、早瀬晶はそれすら確認していない。
10、風に飛ばされた遺書
・この遺書、風でとばされたんかい。
・兄に関して、なぜ「愛していました」と過去形なのか?
・身元の手がかりを得る手段はあったはずなのに、なぜ名前もしらない女の子?
11、ある殺人犯の悔恨
・犯した罪ってなんだろう。
・兄と関係を持ち、妊娠し、誰にも知られないうちに子供を堕ろしたため自らを殺人者とよび、他の女に手を出した兄にあてつけのように自殺とかちょっと思い浮かんだ。
12、リア充会社員の幸せ
・娘にあきらと名づけたのは、どういう感情によるものだろうか?
・……また会えたね、がなんかすっごく怖い。
13、幸せな主婦の憂鬱
・何が不安なんだろう?
・物陰から母親を見つめる娘。その理由は?
14、だいきらいなママへ
・名前が全部ひらがななので「早瀬あきら」なのか「早瀬晶」なのかはっきりしない。
・話の流れからパパ大好きだから、あきらの方っぽいけど、晶が子供の頃、父親が好きだった可能性は排除できない。
15、残された者の追憶
・倒れたあきらを運び入れたのは、真昼の部屋なのか?
・医者とか呼んだのだろうか?
16、とある少女の日常
・真昼がすこし大雑把すぎ。夕日の息子、隆を弟と勘違いしたり、顔も髪の長さも変わっているのに、少し違和感感じた程度でまあいっかとか、ちょっと適当すぎだろう?
・っていうか真昼は4章で成仏したんじゃなかったの?
・替えの下着を用意したのは誰? たぶん夕日だと思うけど。
・真昼モードのあきらを見て、なぜ夕日は異常に思わず受け入れているのか疑問。
17、とある少女の喜劇
・あきらは朝、真昼モードで目を覚ますまで、ずっと意識を失っていたのか?
・その間、夕日など日高家の人間はなにもしなかったのか?
・なんか途中のエピソード抜けてる感じがする?
・玄関を出たとたんに我にかえった理由は?
18、とある少女の遺言
・読んだ人呪うな!
・ジンジャエール→死んじゃえー?
・神の味噌汁……おいしそう?
セルフ突っ込み完了。途中なんか妙な覚書とか妄想も混じってますけどお気にになさらずに。
このお話は、一応、犯人も被害者も、殺害方法も最初から書かれていて、犯人を推理するお話ではないし、真相を推理するお話でもありません。でも、上記のように、つじつまの合わない部分がかなりあります。ほとんどはご都合主義、つまり「たまたまそうなった」で片付けてしまえるものもありますが、たまたまでなく、そこになにか理由があったら、ということを考えるのがこのお話の遊び方になります。
具体的に言うと、本文(1~18)の文章に、新たに文章を加えることで、別の犯人、別の真相、別の事件をでっち上げてしまおうという感じになります。
竜騎士07様の「ひぐらしの鳴く頃に」や「うみねこの鳴く頃に」のような明確なルールとかはありません。
大まかに本文(1~18)に矛盾しなければなんでもあり。後付設定もアリアリです。
本文の記述について少し書いておきますと、基本的には章タイトルに記述された人物の一人称で書かれていますが、あくまで主観によるものなので、語られた内容が事実であるかどうかは保障されません。ただし、語った人物と、その年齢は保障されます。ただし、正当な理由をつければ、語った人物、年齢は詐称することが可能です。例えば「真昼の幽霊など存在しない」という立場に立って、真昼の語った内容はすべてあきらの一人芝居、あるいは幻覚、などとみなすことも可能です。
また、章タイトルおよび本文中でフルネームで表示された人物は、同一人物とします。逆に言うと、フルネームで表示されていない人物と、似た名前の別の人物は同時に存在できます。例えば「さなえ」と早苗は同一人物とみなすことも出来るし、別人とみなすことも可能です。早瀬先輩と呼ばれている人物が、早瀬隼人と同一人物かどうかは保障されていません。
また、日記、手紙など紙などに記されている体裁を取る物は、章タイトルの人物名すら保障されません。具体的には、「7、幸せな女子高生の日記」「9、誰にも見つからなかった手記」「10、風に飛ばされた遺書」「14、だいきらいなママへ」「18、とある少女の遺言」の五つの文章は、章タイトルに名前があっても、本当にその人物が書いたのかは保障されません。例えば、早瀬晶が書いた手記を装って、だれか別の人間が自殺した早瀬晶に罪を擦り付けるために書いたものとみなすことも可能です。
「ひぐらし」「うみねこ」型の物語って、もう少し世の中に出てきて欲しいな、と思い、このような妙な文章を勢いで書いてしまいました。
お暇な方は、このお話の新しい解釈とかでっち上げてくださると嬉しいです。
気が向いたらそのうち別解釈のできる文章を自分でも上げようと思います。
長々とお付き合いありがとうございました。




