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17、とある少女の喜劇 ─ ??? ─
ふと目を覚ましたら、知らない場所だった。
ここはどこだろう?
自分が体を動かす感覚はないのに、目に映るものが流れていく。
ビデオカメラで取った映像を見せられているような感覚だ。
なんだかいろいろ、見てはいけないものも見てしまったような気がするし、見せてはいけないものを見せてしまった気がする。
誰かと言い合いをして、挨拶をして、パンを一切れ口にくわえて、そして玄関から一歩外に出た瞬間に我に返った。
「……ボクはいったい、何を?」
今、わたしの中から、誰かが出て行った気がする。
振り返ると、よく見知った玄関に、まるで父親のように思えるけれど見慣れない男の人が立っていた。
「ごめん、真昼、泣かないって言う約束、守れなかったよ……」
日高さんが、涙を流していた。
その後ろに、知らない少年が真っ赤な顔で立っていて、わたしが持っているカバンをじっと見つめていた。
「ごめん、これ君の?」
少年にカバンを差し出すと、ん、とうなずいて少年はカバンを受け取って玄関から出て行ってしまった。
「あの、」と日高さんに声をかけると、顔を右手でぬぐいながら日高さんは「ありがとう」と言った。
わたしには何がなんだかわからなかった。
でも、心の奥の、もっと奥の所で、何か少しだけ償いが出来たような気がしていた。




