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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

かい・しぇるふぃっしゅ!

作者: 栗野庫舞

友人女子「えっ、好きなパンツを知りたい? なんでそんなことを聞いてくるの? ええと……どうしても答えないと、ダメ? うん……そんなに派手じゃないのかな……」

 雨が降っている。


 窓際の席から、女子高生のあなたは眠そうに外の様子を眺める。


 休日の明日、あなたは友人と海へ遊びに行く予定だった。


 しかし、天気予報によると、今日も明日も天候は雨。特に明日は、大雨になるらしい。今の降りようでは、明日の予報も恐らく、外れない気がする……。


 残念に思うあなたは、机に顔を伏せて、そのまま眠ってしまった。


「そろそろ起きて……」


 隣のクラスの友人女子が、あなたの前にいた。


 彼女に起こされたあなたは、周囲を見回す。あなたのクラスの生徒はすでに全員いなくなっており、あなたは友人と二人きりだった。


 この子と明日、あなたは海に行く予定でいる。彼女はおとなしい印象が強い地味な女子で、長い黒髪を後ろで二本、垂らしていた。


 明日は雨で残念だと、あなたが話すと、


「……うん。私も楽しみにしていたんだけど……」


 彼女は残念そうだった。


 会話が途絶え、静けさが目立った。


 雨音は聞こえ続ける。


「……あっ、確か……」


 そう言ってから、友人は鞄を床に置いた。あなたから少し離れて、背を向けた。


 あなたが二本の黒い三つ編みを見ている間に、彼女は膝丈のスカートを持ち上げて、内側を確認しているようだった。


 スカートから手を離した彼女は、上履きを脱いで上に乗り、そこで右足と左足を順に上げた。


 横に白の太い線が入った紺色ハーフパンツを脱ぐ場面を、あなたは目撃した。


 彼女はあなたの前に戻り、ハーフパンツを自分の鞄の上に置いた。


 恥ずかしそうな顔をしながらも、彼女は大胆にスカートをたくし上げる。あなたに中の白い下着を見せてきた。


 生地の面積が広く、高校生にしては子供っぽさの強い、水玉模様の下着だった。


 突然どうしたのかと、冷静さを保って、あなたは彼女に聞いた。


「明日は、海に行けないでしょう? だから、その代わりに、海へ行った気分になってもらおうと思って……。ほら、今日は私、こういうのを穿()いてきてるから……」


 頬を染めて説明する彼女。


 改めて白い下着をよく見ると、水玉模様ではないと分かった。薄い青の巻き貝と二枚貝の小さいイラストが、交互にいくつもプリントされている。


 なんとなく、貝がある砂浜を連想させた。


「今回は、これで我慢してね」


 素敵なたくし上げ。


 あなたはこれで我慢した。むしろ感謝したいところだった。


                    (終わり)

いつものように、たくし上げ、三つ編みの地味な女子が書きたかったのと、貝模様の下着を出したかった、という理由で誕生した作品です。


最後まで読んで頂きありがとうございます。他の作品も、もし良かったらお読み下さい。

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