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好きな人  作者: りら
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私は好きな人がいる。今日も影ながら彼のことを見つめている。


しかし、私の好きな人は好きな人がいる。別に直接聞いたわけでもない。噂になってるわけでもない。皆経験がないだろうか。好きな人を目で追っちゃうことって。そして、その人が別の人を目で追っていることに気付くことって。


私の好きな人は、よく別の人を見つめていることが多い。

彼は、髪質が柔らかくて、ふわふわしている。可愛いかと思いきや、ショートレイヤーというんだったか、おしゃれな髪形だ。ツーブロックも入っててなかなか格好いい。

性格も優しく、友達からも先生からも頼りにされており、明るく清潔感があり、休み時間は友達ととよくわちゃわちゃしている。彼の周りには人が集まる。要は陽キャだ。

私はというと、どちらかというと陰キャの部類だ。もの静かで、休み時間は読書をしてることが多い。断っておくが、友達がいないわけではない。


私の好きな人はそこそこ勉強ができる。自慢じゃないが私も成績は上位だ。私は彼と同じ大学を狙っている。志望校はリサーチすみだ。担任にはもう少しレベルもあげられるのではないかと言われているが、私の目的は好きな人と同じ大学にいくこと。そして、大学で仲良くなること。


もちろん今も、大学にはいってすぐも告白する気はない。早々に付き合っても分かれる確率は高い。そして、高校時代に仲良くなる必要もない。大学に入学して、あれ、大学ここだったんだね!という偶然のシチュエーションを再現するには、高校時代は存在程度は知っている女の子でいないとならない。あれ?こんなに可愛い子だったけ、と思ってもらうのだ。そして、大学で徐々に仲良くなり、確実に時期を見計らってアプローチし、付き合う。大学入学後はやめに付き合っても別れる確率が高いのだ。出会いが多いのはもちろんのこと、就活・就職先の壁もある。まずは、安心できる存在、付き合ってはないけれど友達以上の関係になることが重要だ。そして、就職先はもちろん、相手と無理なく会えるようなところに内定をもらう。彼の就職先と私の就職先の待遇・給料・ブランド力の差も見極めることも重要だ。人生設計の軸はできている。そのため、細かいところを詰めていかなければ。



高校時代から付き合って結婚する人ももちろんいる。しかし、破局率は高い。私たちの学校は進学校なのだ。大学に進むならば、その破局率は9割との調査結果もある。ちなみに、結婚までの交際期間は1~3年程度の人が多い。そのため、『今』彼と付き合うことは私の人生において必要項目ではない。地元が同じ相手であれば大学の時に一緒に帰省できるかもしれないし、お付き合い後結婚する暁には義両親にとっても安心要素の一つになるだろう。



だから、今はまだ誰と付き合おうが、誰を好きだろうが気にしない。


今日も、私は好きな人を影から見つめている。彼との将来を考えながら。





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