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そもそもの話

 乗り物ニュースで取り上げていたF-35に搭載する射程500kmの空対艦ミサイルの話なのだが、記事をどう読んでも、なぜそれが必要になったのかというそもそもの話が見えてこない。


 離島防衛だとか敵基地攻撃だとかいう話は政策論の話なので、それが理由で必要になりましたでは、政治の話をしているだけに終わってしまう。


 乗り物ニュースなのにそんな政治の話で終わらせて良いのだろうか?


 もちろん、F-35の開発に日本は参画していないので、その機内武器庫(ウエポンベイ)に収まる国産ミサイルが開発されていないという単純明快な理由はあるだろう。

 ただ、それは採用する理由として、「国産武器が積めないからです」という一行で終わってしまい、離島防衛の話を持ち出す必要性がない。


 では、なぜ離島防衛でそんな射程の長いミサイルを次々導入しているのか?


 その答えはスタンド・オフ能力です。


 という。


 敵の攻撃圏外から撃つんです。


 ああ、そうなのねって事なんだけど、その攻撃圏外ってどこ?


 と言う話になるよね。


 なんでそこから?


 最前線は危険だから安全な後ろの方から危険を回避しながら楽に相手を倒したいから?


 具体的な説明がなく、保有する武器の性能や政策論的な話に終始するとそう言った結論しか導き出せなくなってしまう。


 ミリオタ知識があるから読んでて「ああ、そうね」なんだけど、軍事に特に関心がない人があの記事を読めばどうなるか?


 つまり、上の結論になる。



 なぜそうかと言えば、現在、共産党をはじめとしたいわゆる反対派の意見を見れば、そこを突いた批判が至る所で目に付くから。


 では、そうした批判に対して説明がなされているかと言えば、無いのが現実。なぜやらないのか不思議なんだけど。


 ただ、「こうなるからだ」という理由を知らないのであれば、反論できなくても仕方は無いよね。



 で、はじめに戻って、なぜF-35には500kmも飛ぶミサイルを積むのか?


 なのだけど、そういう話って聞いた事あるだろうか?


 なぜだか知らないけれど、そもそもの話を誰もしていない。



 なぜ、F-35に搭載されるJSMという空対艦ミサイルは500kmも飛ぶのか?



 これが分かっていないのに、離島防衛には有効です?


 これが分からないのに、このミサイルは抑止力です?


 これが分からないのに、このミサイルはスタンド・オフ兵器です?


 なぜ?


 多くの人は分からないままに、遠くへ飛ぶから高性能で、だから離島防衛に有効で抑止力になる事からスタンド・オフ兵器なんだ!


 といって、分かった気になっている訳ね。


 乗り物ニュースの記事も具体的な事には全く触れていないから、そう言う風に思わせているだけ。



 ただ、幸いなことにヤフーニュースとして流れている記事にはコメント欄が存在し、そのトップコメントが簡潔に的確な解説を行ってくれている。


 曰く、相手国の軍艦が積む艦対空ミサイルが高性能化、長射程化しているから既存のミサイルではその射程を掻い潜らなければ攻撃できなくなっている。



 そう、なぜ500kmも飛ぶのか?


 と言う事を非常に簡潔に説明してくれている。本来、同じことを記事においてジャーナリストがまず初めにしないといけない事だと思う。


 記事を書いたジャーナリストは、日本の政策として憲法9条において「保有が認められない武器」の解釈に抵触しないように、これまでは約150km程度に射程が抑えられていたと記述している。


 で、あるなら。もう一歩踏み込まないといけない。


 日本が保有する既存の対艦ミサイルの射程はおおむね150km程度。


 では、相手国の軍艦が搭載する艦対空ミサイルはどうか?


 ここに触れて初めて、「なぜF-35に500km飛ぶミサイルを積むのか」という、タイトルを回収できる。


 ジャーナリストがやってないのか、乗り物ニュース側が文字数などの都合で編集したのかは分からないが、記事ではタイトル回収が行われていない。


 さて、長々と引っ張って来た答えを言えば、ロシアは現在、射程250kmとされる艦対空ミサイルを積む艦艇を日本周辺に配備している。


 他にもその少し前に配備された射程200kmの艦対空ミサイルを積む艦艇も配備している。


 中国も同様に、ロシアから輸入した射程200kmの艦対空ミサイルを積む艦艇を配備し、国産開発した同射程のミサイルを俗に中華イージスと呼ばれている艦艇を中心に配備している。



 さて、お判りだろうか。


 日本が持っている射程150km程度のミサイルでは、ロシアや中国の防空網を掻い潜らないと攻撃する事すら叶わない。

 それは下手をすれば、「マリアナの七面鳥撃ち」と言う悪夢を東シナ海や日本海で再度演じる事になりかねないという事。


 射程を伸ばすのは攻撃的で、外国を攻撃したくてウズウズしているからだ!


 と言った反対意見に対し、売国奴だの、パ欲だのと中身も分からずに批判してみたところで反論になっていない。


 射程を伸ばさないといけない理由が分からないのでは、感情的にそう言うしかないのだろうが、それでは相手の思う壺だと理解した方が良いと思う。


 コレを読んだあなたは既に理由が分かっているはず。


 そう、「七面鳥撃ち」という悲劇を繰り返さないためなんだよ。外国を攻撃したいくてウズウズしている訳でも、ディープステートに騙されている訳でもない。ちゃんとした理由が分かっているはずだ。


 こうした「そもそもの話」をせず、いきなりスタンド・オフ能力だとか、離島防衛とか言ってみても、ただそんな気になっているだけで、実は何も分かってはいない。


 そんな状態では、本当に離島防衛や安全保障について正確な議論が出来るわけがない。やっているつもりにしかなれない。


 現在の報道やネットの発信を見ていると、こうした「そもそも」を語らない。それでいて持論を騙るおかしな風潮が蔓延しすぎているように思えてならない。



 まあ、こんなこと書いててなんだけど、これ、同じ様な内容を何回書いてるか忘れてるんだ。誰か、数えてくれてない?


 下手したら、また同じような内容で投稿しちゃうからさw


 

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