家族
───高校1年生の初夏、母が再婚した。
母が連れてきた男性は、良くも悪くも『平凡』な人だった。
若くで私を産んだ母は女手1つでここまで育ててくれた。
とても感謝している。
物心つく前から父親の存在は知らなかった。
だから〖接し方〗がわからなかった。
***
一緒に生活をする様になって私は家に帰ることが減った。
別に嫌だったわけじゃない。
本当に理由はなかった。
そんな私を見て母は泣いて叱って泣いた。
ただずっと泣いて叱ってを繰り返していた。
その横で父親になった男性は困った顔をしていただけだった。
それをただずっと見ていた。
そこに特別な感情なんかはなかった。
何度か季節が変わり母が妊娠した。
(ヒステリックに泣いて怒ってたくせにやることやってて草)
素直な感想はそれしかなかった。
でもずっと一人っ子だった私はきょうだいが出来るのが嬉しかった。
妊娠を告げられた翌日から、私は早く帰るようになった。
どうも母は悪阻が酷いらしく動けない日が多かった。
私は産まれてくる子の為に、母の為に、積極的に何でもした。
徐々に家族らしくなったと思う。
真っ直ぐ家に帰ってくる私を見て母はとても嬉しそうだった。
母の代わりは何でもした。
とつきとおか
私は出産の立ち会い許可をもらった。
陣痛がくるたび唸り苦しむ母を見て
(私もこうして産まれたんだ……)
そう思うと自然と涙が出た。
力む母の横に立つ。
元気な産声をあげ産まれてきたのは
父親によく似た女の子だった。
***
出産に立ち会えて良かったと心の底から思う。
我が子のように妹が可愛くて仕方がなかった。
子育ては3人で協力した。
夜泣きもオムツ替えも何も苦じゃなかった。
やっと『家族』の形ができたと思った。
父親との〖接し方〗も自然と身についたように思う。
目まぐるしい日々の中、妊娠した。
母ではなく、私が……。私が、妊娠した。
すぐに母に相談をした。
戸惑いながらも自分も若くで産んだから、あなたが女の子だと
わかった時に覚悟していた、そう言うと優しく抱きしめてくれた。
幸い、悪阻は酷くなかった。
学校も卒業がすぐそこまできていたので普段通りに通い
そのまま卒業した。
十月十日
立ち会い出産の申し出が母からあったが断った。
妹も小さい、父親だけだと何かと不便だろうとも思ったからだ。
(それに私はいい子だから)
***
難産だった。
自分でもよくわからないまま色んな器具をつけられた。
「帝王切開に切りかえます!!!!」
大きな声で看護師さんか助産師さんか……先生か、
「出血がひどい!このままじゃまずい!誰か!御家族に説明にいって!」
バタバタと慌ただしい。
ドラマでしか聞いた事ないような言葉を聞きながら
母に言われた事を走馬灯のように思い出す。
(──ねえ、お母さん、私いい子だった…?)
「お母さん聞こえますか?!赤ちゃん産まれます!」
薄れいく意識の中、目を開ける。
(ああ……産まれたばかりでもわかる。―父親―によく似た男の子だ………)
元気な我が子の産声を聞き再びそっと眼を閉じた。
よくわからない作品になりました。
「。」が多い
人の受け取り方はそれぞれ






